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消費者の「趣味嗜好」を理解する重要性。趣味趣向との違いとは?【メリット、用語解説など】

消費者の「趣味嗜好」を理解する重要性。趣味趣向との違いとは?【メリット、用語解説など】

消費者の価値観が多様化している現代では、年齢や性別といった単純な指標だけでは必要なニーズを掴みにくくなってきています。これはもはやマーケティングをする上で、大前提になっていると言っても良いでしょう。

そこでポイントになってくるのが、消費者の「趣味嗜好」を理解するという点です。今回は、マーケティングにおいて趣味嗜好を理解することの重要性、メリットについて事例を交えてわかりやすく解説します。

趣味嗜好とは?定義や意味をわかりやすく解説!

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趣味嗜好とは「個人的な好み、個人が好きで嗜んでいること」を指します。そもそも趣味嗜好という言葉は、「趣味」と「嗜好」という二つの言葉を組み合わせたものです。

「趣味」という言葉は、「わたしは〜が趣味です」というように、その人個人が「好きでおこなっている事柄」を指す場合に多く使われます。また「いい趣味をしていますね」など、その人の「好みの傾向」を表したり、「この風景は趣味がある」など「ものごとの味わい」を表現する場合にも使われます。

一方で「嗜好」は「あるものを好み、親しむこと」という意味です。「嗜好品」という言葉があるように、主にお酒などの飲みものや、タバコなど人が口にするものに対して用いられる傾向にあります。

よく似た「趣味趣向」とは?

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「趣味嗜好」と混同されやすいのが「趣味趣向」という言葉です。

「趣味趣向」とは「好きなことの抽象的な傾向や雰囲気」を指す場合に使われます。「趣向」と言う言葉には「物事をおこなったり作ったりする上でのおもしろい工夫・考案。また、その結果生じるおもむき」という意味があります。「趣向を凝らす」「趣向を変える」といった使い方がされます。

つまり「趣味嗜好」は「個人的な好み、好きで嗜んでいるもの」を表すのに対して、「趣味趣向」は「個人的な好みの傾向」を意味します。

マーケティングにおける顧客の趣味嗜好を理解するメリット・活用例

顧客の趣味嗜好を理解することは、マーケティングにおいてどのようなメリットがあるでしょうか。具体的な活用例と合わせて解説します。

【メリット①】ターゲット層向けの広告展開ができる

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広告はとにかく打てばいいわけではなく、商品やサービスを求めているユーザーへ届かなければ意味がありません。しかし、顧客が何を求めているのかを知らなければ、誰に向けてどんな訴求するのか分からず、結果的に「数打てば当たる」になってしまいます。

顧客の趣味嗜好を調査する目的のひとつが、ターゲット層の絞り込みです。特定のターゲット層にニーズが集中していることが分かれば、ピンポイントで広告展開でき、販促のパフォーマンスを最大化できるでしょう。

【メリット②】自社製品の見直しと改善ができる

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たとえば、ある飲料メーカーで、一定の層をターゲットに展開している紅茶の売れ行きが伸び悩んでいたとします。そこで、消費者にアンケート調査をした結果、ターゲットの年齢層は甘すぎない紅茶を好んでいることが分かりました。

このように、ターゲット層が求めているニーズとのズレを発見できれば、狙った属性にマッチした商品へ改善する、もしくはターゲットの選定をし直すといった対応をできるようになります。

【メリット③】新しい顧客インサイトを発見できる

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趣味嗜好を知ることは、新しい顧客インサイト発見のチャンスでもあります。顧客インサイトとは、顧客自身が自覚していない潜在的なニーズのことです。

たとえば、あるメーカーが製造している菓子パンについてアンケートを取ったところ「何気なくおいしいからいつも買っている」という回答があったとします。この場合、顧客自身は購買理由をはっきりと自覚していませんが、その裏には無意識に商品を好んでいる何らかの理由が隠されているはずです。

このように、趣味嗜好の傾向さえつかむことができれば、あとはその行動理由を分析することで、潜在ニーズにアプローチできるようになります。

趣味嗜好を調査・分析する方法

趣味嗜好の重要性が理解できたら、実際に調査・分析を行っていきます。ここでは、代表的な方法をいくつか紹介します。

アンケート調査

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最も手っ取り早いのがアンケートです。アンケート調査には「定量調査」と「定性調査」の二種類があります。

定量調査は、購入者数やリピート率などを「はい・いいえ」で答えてもらい、どちらがどれくらいいたかなど数値を調べる調査方法です。一方の定性調査とは「商品についてどう思ったか」「サービスにまつわる、こういうエピソードがある」など、数字では表せない内容を調査する方法を指します。

定量調査は、数字で把握できるため、消費者の趣味嗜好を総体的に捉えやすいというメリットがあります。比較的手間や費用もかからないため、手をつけやすい方法といえるでしょう。

インタビュー調査

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インタビュー調査は、意見や感想を直接対象者へ聴取する方法です。

このインタビュー調査は、アンケート調査では分からない消費者の生の声を引き出すことを可能とします。商品やサービスに対して抱いているイメージを、より深く詳細に知ることができる手法と言えるでしょう。

オンラインインタビュー

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インタビューのひとつの方法として、オンラインインタビューがあります。近年増加した調査手法で、zoomやGoogle Meetなどビデオ通話アプリなどを利用してオンライン上でインタビューを行います。

直接会話するという点では、対面でのインタビューとさほど変わらない条件下で行うことができ、時間や場所に融通が効くこともメリットといえるでしょう。

グループインタビュー

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グループインタビューは、複数人を同時にインタビューする方法です。1対1対のインタビューよりも一度に多様な意見を聞くことができます。

たとえば、競合A社の商品を好んで利用しているグループ、競合B社の商品を好んで利用しているグループに分けて意見を聞くことで、自社商品の課題や優位性、販路拡大の可能性などを多角的に把握・分析することができます。

デプスインタビュー

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デプスインタビューとは、質問者と回答者が1対1でインタビューを行う手法です。通常のインタビューよりも回答者の感想や意見をより深く掘り下げることが目的で、比較的時間をかけてじっくり行われます。

1対1のため、人前では憚られるような回答者の本音を引き出せる可能性があり、なぜその行動を取るにいたったのか、なぜそこまで満足しているのかなど裏の行動理由などを聴取できます。

ソーシャルリスニング

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ソーシャルリスニングとは、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS、ブログや掲示板、レビューサイトなどで発信されている情報を収集し分析、ニーズを探るマーケティング手法です。匿名性が高いSNSなどでは、消費者の本音が出やすいため、より直接的なニーズを探るのに適しています。

「カップヌードル」でおなじみの日清食品では、SNSに複数投稿されていた「他の味を混ぜて食べるのがおいしい」という意見を参考にして、人気の味を組み合わせた新商品を開発し、ヒットにつなげました。

エスノグラフィー調査

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エスノグラフィー調査とは、対象者と一定期間生活を共にすることで行動習慣などを観察し、マーケティングに活かす手法です。フォーマルな場ではなかなか把握しにくい、対象者のニーズを発見できる可能性があります。

たとえば、アメリカのある食品メーカーでは、エスノグラフィー調査をした結果、ケチャップを最後まで使い切るためボトルを逆さにして保管している家庭が多いことが分かりました。そこで、蓋がボトルの下についている逆さケチャップボトルを開発し、売上を伸ばすことに成功したという事例があります。

まとめ

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顧客の趣味嗜好が理解できれば、商品やサービスの改善、潜在的なニーズへのアプローチが可能になります。紹介した調査・分析手法をうまく活用し、マーケティングに役立ててみてください。

監修者

大島 克俊

ゲンダイエージェンシー株式会社 取締役最高営業責任者(CMO)

1978年生まれ。2002年、当社入社。2005年、上野営業所長を経て、2008年東日本営業部グループマネージャーに就任、2013年営業企画開発部長に就任(現任)。2013年、当社子会社株式会社ジールネット代表取締役に就任(現任)。2017年、執行役員に就任。2021年、当社取締役に就任。2023年、最高営業責任者(CMO)に就任。
ゲンダイエージェンシー株式会社の成長と発展に大いに貢献してきた経験を持ち、そのリーダーシップと広告に関する専門知識は、当社の事業に大きな影響を与えてきました。現在は当社のセールスとマーケティング全般のマネジメントを担当しており、IT/デジタル分野についての深い知識を持っています。また、彼の親しみやすい人柄と部下からの厚い信頼も彼のリーダーシップを支えています。

執筆者

AdSELL編集部

「広告主と媒体社をつなげるメディアポータルサイト~AdSELL」の企画段階から参画し、サービス立ち上げメンバーを中心に、コンテンツ担当セクションを組織しています。
私たちが目指すのは、日本全国のビジネスパーソンに役立つ、マーケティングのノウハウや情報、事例をわかりやすく紹介すること。具体的な事例を交えて情報を提供し、読者様がすぐに実践できるような生きた情報をお届けします。読者様の「とは?」「なぜ?」という疑問に対する答えを、タイムリーに発信することを心がけています。

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