無料で試供品配布や商品試用の機会提供を行うサンプリング。しかし”サンプリング”と言っても、ターゲット層や商材により適したサンプリング手段が異なります。
この記事では、サンプリングの種類と特徴について初心者向けにわかりやすくご紹介。それぞれの方法に適したターゲット層や商材も列挙し、大まかな費用もまとめました。サンプリング実施の前にぜひご一読ください。
目次
１．街頭サンプリング
商品やサービスを消費者に直接宣伝する手段です。駅や広場、街角など、人通りの多い公共の場で冊子・試供品の配布、試食や試用を行います。
最大の特徴はすぐに消費者の反応や意見を得られる点です。露出が高いためブランド認知度の向上や新商品の導入にも効果的で、使用者の質問に現地で答えられる点もメリットです。
街頭サンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：不特定多数/場所や期間により特定の興味を持つ層
- 商材：試食試用や実演で品質や効果を紹介できる商品 例）食品・飲料・美容健康製品・家電等
- 費用：配布物の費用+人件費+交通費+道路使用許可証申請費など数十万～数百万円
２．ルートサンプリング
施設や店舗などの各ルートの場所やスタッフを活用して、商品を配布するサンプリング手法です。
最も多く利用されている方法で、関連性の高いターゲットに直接商品を体験する機会を提供し、その特徴や利点を実感してもらうことができます。ルートごとにエリアや属性があり、適切なルートを選ぶことで、ある程度対象の絞込みが可能です。
ルートサンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：年齢・性別・地域・収入・職業・教育水準等に基づいて分類した層
- 商材：試食試用や実演で品質や効果を紹介できる商品 例）食品・飲料・美容健康製品・家電等
- 費用：配布物の費用+人件費+交通費+道路使用許可証申請費など数十万～数百万円
３．イベントサンプリング
催事会場等で行われるサンプリング手法です。参加者に商品の試用や試供品の配布を行い、ブランドの知名度向上や購買促進を図ります。
イベントの活気や興奮に乗じて消費者の関心を集めながら、ターゲット層を効果的に捉えて直接的な体験を提供し、最新の感想や意見を得られる点が特徴です。
イベントサンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：イベントの種類により特定の趣味を持つ層、会場周辺の住民層
- 商材：試食試用や実演で品質や効果を紹介できる商品 例）食品・飲料・美容健康製品・家電、イベント関連の限定品等
- 費用：配布物の費用+人件費+交通費+会場使用許可証申請費など数十万～数百万円
４．店頭購入サンプリング
商品を店舗購入する消費者に対し、試食や試用を行う手法です。実際に商品を使ってもらい、直接的な体験を通じて質や特徴を知ってもらうことができます。
消費者の購買意欲を高める効果があり、商品の認知度やロイヤルティの向上につながるのがメリットです。また、利用者の意見収集や市場データの取得も容易です。
店頭購入のターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：店舗の既存客や会員
- 商材：新商品、リピートしたくなるような消耗品、限定品、関連商品
- 費用：配布物の費用など数万～数十万円
５．園サンプリング（保育園・幼稚園・こども園）
幼稚園や保育園、認定こども園などで、先生から園児へ手渡しで商品やチラシ、販促物などを配布してもらうプロモーション手段です。
コストや時間を節約し、確実にターゲット層に届けられる点が特徴です。また、保護者同士のコミュニティ内やSNSでの話題喚起になり、広範囲への口コミ効果も期待できます。
園サンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：園児とその保護者
- 商材：乳幼児や児童向けの学習教材や玩具、衣類、食品・飲料、子育て用品
- 費用：配布物の費用など数万～数十万円
６．学校前サンプリング
対象を学生とその保護者に絞ってサンプリングを行うマーケティング手法です。学校前で直接手渡しするためスクールハンディングとも呼ばれています。
学生個々に対する視認率が高く、小学校・中学校・高校・大学・専門学校など教育機関の特性に合わせて、具体的かつ簡単にターゲット層の絞込みが可能です。
学校前サンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：学生とその保護者
- 商材：文房具などの学用品、食品・飲料、学習教材、部活動向けのスポーツ用品等
- 費用：配布物の費用+人件費+交通費+会場使用許可証申請費など数万～数十万円
７．オフィスサンプリング
会社員をターゲットにしたサンプリング方法で、主にオフィス内や社員食堂で実施します。
街頭サンプリングと異なり、収入レベルやライフスタイルの類似する層に訴求できるのが特徴です。また、社内にある試供品ということで対象者に安心感を与えて信頼を獲得し、口コミでの拡散も期待できます。
オフィスサンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：会社員、経営者
- 商材：文房具、オフィス用品、スナックや飲料、ビジネス関連書籍・雑誌、テクノロジー用品等
- 費用：配布物の費用など数万～数十万円
８．同梱・同封サンプリング
オンラインショッピングや通販の配送物と一緒に、無料の試供品や販促アイテムを同封する手法です。
サンプルや新商品を確実に対象者に届けることが可能で、既存客に謝意を伝えつつ、他の関連商品をクロスセル・アップセルし、追加やリピート購入を促進できます。継続的に顧客を取り込む効果があるマーケティング手法と言えます。
同梱・同封サンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：通販利用者、会員
- 商材：同梱しやすいサイズの化粧品、健康食品、電子機器、家庭用品、ビジネス用品、スポーツグッズ等
- 費用：配布物の費用など数万～数十万円(梱包材および送料は元々の送付物と共用換算)
９．ダイレクトメールサンプリング
郵便や宅配便を通じて顧客に直接サンプルを送るマーケティング手法です。住所が分かる既存会員など、特定の個人に効果的にリーチできます。
パッケージを開封する行為で消費者の興味を引き、ブランドの認知度向上や購買促進が可能。レスポンス率の計測やフィードバックの収集が比較的簡単にできるのも特徴です。
ダイレクトメールのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：地域別の住民層、子育て世代や高齢層といったライフスタイル別の対象者
- 商材：郵送に適したサイズの周辺店舗の体験クーポンや割引券、子育て支援グッズ、教育関連製品、家庭用品、飲食、衣料品等
- 費用：配布物の費用、梱包材、送料など数万～数十万円
10．WEBサンプリング
企業HPや専門サイトで応募者に試供品を配布する手法です。プル型・懸賞型とも呼ばれ、近年増加傾向にあります。
対象が登録会員の場合も多く、簡単に告知できるのが特徴のひとつ。入力された送り先に直送する他、引換券等をウェブ経由で発行し店頭に誘導することも可能です。アンケートも実施でき、見込み客の情報を今後の販促活動に利用できます。
WEBサンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：ネットユーザー、オンラインショッピング利用者
- 商材：音楽・映画・料理・旅行などの関連商品、ゲームやアニメのグッズ、健康食品、ダイエット製品、フィットネス用品等
- 費用：配布物の費用、サイトの製作費、送付の場合は梱包材と送料など数万～数十万円
11．SNSサンプリング
SNSサンプリングとは、アンケートやプレゼント企画としてInstagram、Facebook、TwitterなどのSNSで無料の試供品配布を告知する手法です。
WEBサンプリングと同じメリットがあるほか、応募プロセスがより簡単な点が特徴。最低限のコストで口コミ投稿やリツイートを促進し、対象商品の露出度向上を期待できます。
SNSサンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：SNSを積極的に利用する若年層やミレニアル世代
- 商材：音楽・映画・料理・旅行などの関連商品、ゲームやアニメのグッズ、健康食品、ダイエット製品、フィットネス用品等
- 費用：配布物の費用、SNSの製作費、送付の場合は梱包材と送料など数万～数十万円
12．インフルエンサーサンプリング
有名なインフルエンサーにサンプル品を提供し、その使用感をPRしてもらう手法です。影響力の高い人物による具体的な感想や意見がフォロワーに届き、購買意欲を高めます。
最低限のコストで多くのターゲットに直接リーチし販促できます。SNSでの拡散により商品やブランドの露出度・認知度がすぐに高まるのもメリットです。
インフルエンサーサンプリングのターゲット層・向いている商材・費用
- ターゲット層：有名人のフォロワー、視聴者
- 商材：ファッション・美容・フィットネス・ウェルネス・飲食・テクノロジー・旅行・学習体験など、依頼するインフルエンサーにより様々
- 費用：インフルエンサーへの配布物の費用など数万～数十万円
まとめ
試供品を通じて販促・認知度向上を図り、潜在客の需要や市場データも収集できるサンプリング。実施には、予算や目的に最適な手段を見極めることが重要です。ターゲット層を明確にし、効果的なサンプリングを行いましょう。
