「純広告」とは、マーケティングにおける広告手法のひとつです。今回の記事では純広告の種類や運用型広告との違い、メリット・デメリットなどをわかりやすく簡単に説明しています。
純広告について理解したうえで最適なWebメディアやSNSメディアを選定し、効果的なプロモーションを実践しましょう。
目次
純広告とは?意味と特徴を解説!
純広告とは、特定のWebメディアやSNSメディア、紙面の広告枠を買い取って広告を掲載する手法のことです。広告枠や表示回数、掲載期間などを事前に決めて契約することから「予約型広告」あるいは「買い切り型広告」とも呼ばれます。
純広告の例として、看板広告や電車の中吊り広告といったマス媒体広告、Yahoo! JAPANのトップページに表示されるバナー広告などが挙げられます。多くのユーザーの目に触れるため、自社製品のブランディングや認知度向上の目的で活用されるケースが多いです。
運用型広告とは?
運用型広告は読んで字のごとく、広告主による広告枠の運用が前提とされた広告手法です。広告は主にSNSメディアや動画投稿サイト、検索エンジンの検索結果一覧ページなどに表示されます。ユーザーの属性や検索キーワードに応じて、最適な媒体の広告枠へ自動的に広告が出稿される仕組みです。
リアルタイムで効果測定をしながら配信内容や予算、ターゲットなどを変更できるため、工夫次第で大きな広告効果を発揮するのが特徴です。
純広告と運用型広告 どのように運用・活用すべき?
純広告と運用型広告の決定的な違いは、固定掲載枠の有無です。純広告は表示期間や表示場所が決められた広告枠を買い取る方式であるのに対し、運用型広告は予算に応じて掲載順位や掲載量を調整できます。
ブランディングや認知度向上を目的とし、インパクトの強さでユーザーの印象に残りやすい広告を打ち出したい場合は純広告が最適です。一方で予算と相談しつつ、ユーザーの特徴や多様なニーズに合った情報を届けたい場合には運用型広告が適しています。
期待通りの広告効果を発揮するためには、プロモーションの目的や取り扱う製品・サービスの特徴に合った媒体を選ぶことが重要です。
純広告の種類 特徴を解説!
純広告にはどのような種類があるのか、特徴とともに詳しく紹介します。
記事広告・タイアップ広告
自社製品・サービスの特徴やターゲットに合う媒体へ、メディア内のほかの記事と同様のフォーマットで掲載する広告のことを「記事広告」あるいは「タイアップ広告」といいます。
記事形式の広告はユーザーに多くの情報を伝えられるほか、媒体へのデザインのなじみやすさからユーザーにストレスを与えにくいというメリットがあります。
優れたコンテンツを配信することで、自社製品やサービスへのユーザーの理解を深められるでしょう。
バナー広告
長方形あるいは正方形のリンク付き画像、いわゆるバナーを表示させる広告のことを「バナー広告」といいます。媒体や広告枠によってバナーの大きさは異なり、静止画やアニメーションを利用したものなど形式も多種多様です。
広告としてユーザーの目に留まりやすいため、潜在顧客への訴求に有効である一方、期待通りの広告効果を得るためにはバナーデザインの工夫が必要不可欠です。
テキスト広告
「テキスト広告」は、Webメディアの上下やコンテンツの途中にテキストのみで表示される広告です。キャッチコピーのような1行~2行程度の広告文に、リンク付きのタイトルが添えられる形で掲載されます。
ほかの純広告に比べて作成コストや掲載費用は安価な傾向にありますが、広告として目立ちにくいため訴求力の低さが懸念されます。
メルマガ広告
会員登録済みのユーザーに対して、自社製品やサービスに関する情報をメールで配信するのが「メルマガ広告」です。メールにはテキスト形式とHTML形式とがあり、後者の場合はバナーや画像、動画入りのメールを配信できます。
何らかのきっかけでメールアドレスを登録したユーザーが対象となるため、自社製品やサービスに興味のあるユーザーへ訴求できます。
動画広告
動画サイトの広告枠へ配信される「動画広告」は、YouTubeのトップページに表示される広告(マストヘッド広告)などが好例です。
ユーザーが視聴したいコンテンツの前に表示されるため、広告への不快感を最小限に抑えつつアプローチできるという強みがあります。
ターゲティング広告
「ターゲティング広告」とは、ネットにおけるユーザーの行動や属性をもとに、条件や範囲を絞ったうえで打ち出す広告のことです。たとえば化粧品会社の場合、WebメディアやSNSメディアの閲覧履歴から、コスメや美容に興味のあるユーザーに対して広告が表示されます。
最小限の広告コストで、高いコンバージョン率が期待できるでしょう。
リッチメディア広告
テキストや静止画のみならず、動画や音声をミックスした広告のことを「リッチメディア広告」といいます。カーソルの操作によってバナーが動いたり音声が出たりするため、ユーザーの目を引きやすいのが大きな特徴です。
ただし、自動で動画や音声が流れることに対して嫌悪感を覚えるユーザーも一定数存在します。利用する媒体や、プロモーション内容を慎重に検討する必要があるでしょう。
純広告のメリット
純広告に挙げられる3つのメリットをわかりやすく説明しますので、理解したうえで効果的に活用しましょう。
【メリット①】契約期間中の掲載が保証されている
純広告は広告枠自体を買い取って広告を打ち出すため、契約期間中の掲載が保証されています。運用型広告のように配信期間や配信量が変動しないため、希望するWebメディアやSNSメディアへ確実に広告を掲載できます。
まとまった予算で大手Webメディアへ掲載できれば、大きなプロモーション効果が期待できるでしょう。
【メリット②】認知度の拡大とブランディングが期待できる
純広告は、知名度の高いWebメディアやSNSメディアなどを利用できます。さまざまな属性のユーザーにアプローチできるため、自社製品やサービスの認知度拡大につながるでしょう。
また、ユーザーからの信頼が厚い大手の媒体を活用することで「資金力のある会社だ」と認識されやすく、ブランディング効果の増大も見込めます。
【メリット③】管理・運用の手間がかからない
純広告は配信期間や配信量が事前に決まっているため、掲載後の管理や運用は不要です。まとまった予算とクリエイティブの用意さえあれば、広告運用に長けた人材が社内へいなくとも簡単に利用できます。
ただし、掲載する媒体の事前リサーチや広告掲載後の効果測定は忘れず実施しましょう。
純広告のデメリット
純広告のデメリットをいくつか紹介します。メリットと併せて理解しましょう。
【デメリット①】費用がかかる
広告の掲載枠が確約される純広告は、運用型広告に比べて費用が割高です。大手の媒体やリッチメディア広告を採用する場合は、さらに高額となるでしょう。
また買い切り方式であるという性質上、純広告で期待通りの広告効果が得られなかった際は費用対効果の問題も懸念されます。
【デメリット①】出稿したらクリエイティブの変更ができない
純広告は、一度出稿したクリエイティブの内容を変更できません。そのため誤った情報を配信したり、反響が小さかったりしても現状のまま様子を見ることになります。
費用面や広告内容に関して不安がある場合は、お試しとして短期間のみ純広告を利用するのも一案です。まずは運用型広告にて効果測定をしたのち、純広告を活用するのもよいでしょう。
【デメリット①】詳細なターゲティングが難しい
純広告は、ユーザーの詳細なターゲティングが困難です。ユーザーの属性をある程度絞り込めるターゲティング広告を利用しても、自社の製品やサービスのターゲットに合致させることは容易ではありません。
そのため純広告は、顕在顧客よりも潜在顧客や新規ユーザーへのアプローチに適しているでしょう。
まとめ
純広告は、自社製品やサービスの認知度拡大およびブランディングに有効な広告手法です。メリットとデメリットの両者を理解したうえで、効果的に活用しましょう。