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消費者インサイトとは?意味・見つけ方を紐解き、成功事例を紹介します

消費者インサイトとは?意味・見つけ方を紐解き、成功事例を紹介します

マーケティング活動に欠かせない「消費者インサイト」。しかしその意味や特徴、調査のやり方や手順をご存じですか?

この記事では、消費者インサイトについて、その重要性、混同されがちな「消費者ニーズ」との違い、具体的な成功事例を含めて簡単にわかりやすくご説明しています。この機会にぜひご一読ください。

消費者インサイトとは?意味と特徴をわかりやすく解説!

消費者インサイトとは、消費者の心理や行動の背後にある真の理由や動機、ニーズ、価値観、好みなどの深層心理を洞察すること。これは、表面的な情報や統計データでは捉えられない、個々の考えや感情などの詳細な分析を指します。

その特徴は、予想外な市場動向や顧客心理について深い理解をすることで、イノベーションを促進し、競争優位性を高める点にあります。消費者インサイトで得た洞察は、製品やサービスの改善、効果的な広告戦術の立案、新たな市場開拓などに活かされています。

「消費者ニーズ」とは何が違う?

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よくにた言葉に「消費者ニーズ」があります。消費者ニーズとは、顧客が直接望む要求や必要性のことを指しており、具体的で明確です。

これに対し「消費者インサイト」は、なぜそのようなニーズを持ったのか、どのようにそれを満たそうとするかに焦点を当てています。深層心理や動機、嗜好、価値観を理解するために必要な洞察が、消費者インサイトなのです。

似て非なる”インサイト”と”ニーズ”。インサイトはニーズの背後にある理由を明らかにし、マーケティングや製品開発において、より戦略的なアプローチを可能にします。両方の違いを踏まえ、組み合わせて活用することで、顧客に最適な価値を提供可能となり、より効果的な戦略策定を可能とするでしょう。

なせ消費者インサイトが重要なのか

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顧客の深層心理やニーズを理解し、製品開発、広告、戦略策定に活用するための消費者インサイト。これにより、業界における競争力を維持し、製品やサービスを顧客に合わせてカスタマイズする能力を高められるのです。さらに効果的な広告とターゲティングが可能になり、顧客の忠誠度と満足度も向上します。また、市場の変化に対応し、リスクを最小限に抑えるための情報も得られます。

このように、消費者インサイトは企業が市場で成功を収め、持続的な成長を実現するために、必要不可欠かつ重要な要素なのです。

消費者インサイトの調査方法

それでは早速、多々ある消費者インサイトの調査方法を見てみましょう。

アンケート調査

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アンケート調査は、消費者の声を聞くための有用なツールです。

実施するのは、まず目的に沿った具体的な質問を設定します。調査は、対象者への郵送、オンライン、電話、面談などで実施します。収集結果を分析し共通のパターンや傾向を抽出。統計的手法などを用いてデータを解釈し、消費者の行動や好みに関する洞察を発見しましょう。

ソーシャルリスニング

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ソーシャルリスニングは、各SNSプラットフォームやオンラインショップの口コミページなどを通じて、消費者の商品レビューやフィードバックを収集し分析する手法です。

日々のユーザーの投稿やコメント、レビュー、感想などをリアルタイムまたは定期的に収集することで、顧客の好みや実際の不満、トレンド、評判を調査しましょう。

エスノグラフィー調査

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エスノグラフィー調査は、消費者の日常生活に調査員が直接参加し、観察する調査手法です。

対象層を決定したら調査員が長期的にその環境に身を置いて、インタビューや記録、写真を通してデータを収集。その後、分析結果を基にして、習慣の違いや共通点・価値観・社会的文脈を探求することができます。

インタビュー調査

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インタビュー調査は、消費者の声を直接聞き出し、深い理解を得るのに有効な方法です。

目的の設定後、オープンエンドの質問を考案して対象者を選定したら、インタビューを実施します。録画・録音などの記録を基にデータを分析し、洞察を抽出しましょう。対象者と信頼関係を築き、質問を工夫して、忌憚ない意見を収集するよう注意しましょう。

消費者インサイトの成功事例

消費者インサイトの成功事例を5つご紹介します。

分野は異なりますが、いずれも消費者インサイトを通して利用者の声や意見について洞察を行い、戦略的に活用することでマーケティング活動において成功を収めた興味深いケースです。ぜひご参考ください。

1.和定食チェーン店 大戸屋

家庭的な和食チェーン店、大戸屋。消費者インサイトから、当時の主要ターゲットであった男性客だけでなく、女性客の静かな雰囲気やプライバシーを求める潜在的なニーズが判明しました。

「男性ばかりの定食屋には入りづらい、食事しているところを外から見られたくない」という女性たちの心理洞察を踏まえて、2階以上や地下のフロアを利用し、個室や半個室スペースを提供したのです。

こうして大戸屋は、消費者インサイトを基に顧客の要望を理解し、それに見事に対応。多くの女性客を呼び込むことに成功しました。

2.JR東日本 商業空間「ecute(エキュート)」

JR東日本のecute(エキュート)は、駅構内の商業施設で、多くの通勤客や観光客が利用するスポットです。消費者インサイトを活用し、単なる交通機関の一部であった駅を新たな市場としたのです。

さらに、朝にはパン類・おにぎり・弁当類が、夕方には酒類・軽食が求められていることを発見。この洞察に基づいてメニューを調整し、時間帯ごとに最適な食品を用意するようになりました。

これは、消費者インサイトによって潜在的な販売チャネルを見出し、人々のニーズに応える魅力的な商品を提供することで、駅ナカショップ戦略を成功させた例です。

3.日清食品 カップヌードルリッチシリーズ

高齢化が進む日本では、アクティブシニア層の健康志向や食事ニーズが高まっています。日清食品は、若者に人気のカップヌードルについてもシニア層向けのラインナップを開発し、市場で競争力を維持・向上させる必要がありました。

そこで消費者インサイトを用いて、高齢者の食事習慣や健康に関する意見を調査。低塩分&低カロリーで栄養価も高く、より風味豊かで良質な食材の需要があることを理解し、製品改善に反映させたのです。

この事例は、消費者インサイトを通じて商品品質の向上を実現し、ブランド価値を高めた成功例です。

4.P&G ファブリーズ

有名な消臭スプレー、ファブリーズ。発売当初は「日常の嫌な臭いを消す」ことが謳い文句でしたが売れ行きが悪く、消費者インサイトを実施しました。

すると、ペットやタバコの臭いは常習化しており当事者は不快に思わないこと、そして主婦層の消費者は掃除後のご褒美としてスプレーを利用していることが判明したのです。これを基に、ファブリーズは「非日常の香りをプラス」できることをPRすると、数カ月で売上が倍増し大ヒット商品となりました。

ファブリーズの例は、消費者インサイトによって商品コンセプトのズレに気付き、効果的な広告展開につなげられた例のひとつです。

5.isshoni.ノートデスク

老舗の文具メーカー、ダイゴーが発売したisshoni.ノート デスクは、パソコン手前の狭いスペースに広げて置くことが可能な横型ノート。コロナ禍で在宅勤務が増える中、オンライン会議などでメモを取りたいというニーズにより誕生した画期的な商品です。

実は、リモートワーク中に不便さを感じた社員のアイデアが基。キーボードを操作しながら手書きで記録もできると大人気商品になりました。

さらに同社は、消費者インサイトによりテレワークに最適な省スペース文具の需要はますます増えると予想し、方眼や横掛、厚口などのバリエーション展開を行っています。

まとめ

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顧客の隠れたニーズや本音、行動心理を理解する消費者インサイト。商品開発から広告展開まで様々なマーケティング活動に活かしてください。

監修者

大島 克俊

ゲンダイエージェンシー株式会社 取締役最高営業責任者(CMO)

1978年生まれ。2002年、当社入社。2005年、上野営業所長を経て、2008年東日本営業部グループマネージャーに就任、2013年営業企画開発部長に就任(現任)。2013年、当社子会社株式会社ジールネット代表取締役に就任(現任)。2017年、執行役員に就任。2021年、当社取締役に就任。2023年、最高営業責任者(CMO)に就任。
ゲンダイエージェンシー株式会社の成長と発展に大いに貢献してきた経験を持ち、そのリーダーシップと広告に関する専門知識は、当社の事業に大きな影響を与えてきました。現在は当社のセールスとマーケティング全般のマネジメントを担当しており、IT/デジタル分野についての深い知識を持っています。また、彼の親しみやすい人柄と部下からの厚い信頼も彼のリーダーシップを支えています。

執筆者

AdSELL編集部

「広告主と媒体社をつなげるメディアポータルサイト~AdSELL」の企画段階から参画し、サービス立ち上げメンバーを中心に、コンテンツ担当セクションを組織しています。
私たちが目指すのは、日本全国のビジネスパーソンに役立つ、マーケティングのノウハウや情報、事例をわかりやすく紹介すること。具体的な事例を交えて情報を提供し、読者様がすぐに実践できるような生きた情報をお届けします。読者様の「とは?」「なぜ?」という疑問に対する答えを、タイムリーに発信することを心がけています。

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