現在、若い世代を中心に流行中のショート動画。
その特徴は、数秒から数十秒と短いため、休憩時間や移動時間に気軽に視聴できることでしょう。また、SNSの特性上、シェア機能により拡散力が高い点も。そのため商品やサービスの認知拡大に効果が期待できるため、マーケティング手法としても注目されています。
今回は、マーケティングにおけるショート動画の役割や重要性、ショート動画を投稿できるプラットフォームなどについて解説します。
目次
ショート動画（Short動画）とは？意味と特徴をわかりやすく解説！
ショート動画とは、You Tube、TikTok、Instagramなどのプラットフォームに搭載されている機能で、数秒から数十秒の短い動画の投稿および閲覧をするものです。
長い動画やテレビ番組とは違い、集中して見なくても休憩時間や移動時間に気軽に視聴でき、多くの情報を得られところが特徴です。
ユーザーがよく見る内容から趣味趣向を学習し、興味がありそうな動画が流れるようになるため、飽きることなく楽しめるツールとして若い世代を中心に世界的に流行しています。
マーケティングにおけるショート動画の役割や重要性
総務省による令和4年通信利用動向調査1によると、令和4年8月末の時点でスマートフォンの保有状況は90.1％、個人の保有割合は77.3％と、堅調に伸びています。また、個人のインターネット利用機器は、スマートフォンがパソコンを上回り、20〜59歳の各年齢階層では約9割が利用。SNSの利用者は、約8割に達しています。
このことから、企業のマーケティングにSNSを利用したショート動画を取り入れることは、商品やサービスの認知拡大、情報の発信、消費者との関係性の構築に役立ちます。今後ますますマーケティング活動における重要性は、高まっていくことでしょう。
ショート動画をマーケティングに活用するメリット
ショート動画機能が利用できるプラットフォームが増え、利用者が年々増加していることで企業にとっても動画マーケティングの重要性が高まっています。
動画は視覚や聴覚に訴えかけられるため、文字や言葉だけの広告よりも多くの情報を伝えられるところが特徴ですが、ショート動画には通常の動画とは異なるメリットがあります。
ここでは、ショート動画をマーケティングに活用するメリットについて解説します。
【メリット①】タイパ重視のZ世代・若年層に受け入れてもらいやすい
Z世代とは、現在の10代後半から20代前半までの人を指します。このZ世代は、SNSを主な情報源としており、自分の価値観にあっているか・共感できるかどうかを重視する傾向があります。テレビや新聞などのマスメディア離れが目立ち、これまでのマーケティングではアプローチが難しい世代です。またタイムパフォーマンス（タイパ）を重視するため、ひとつのコンテンツに長い時間を消費することを嫌がる傾向があります。
長尺の動画は「長い」というだけで再生されないことがあるため、気軽に見られるショート動画は、タイパ重視のZ世代に受け入れてもらいやすいでしょう。
【メリット②】短いためスキップされにくい
SNSに投稿する動画は短いものが好まれます。それは、多くのユーザーがタイムパフォーマンスやテンポの良さを重視しており、短時間で大量のコンテンツを消費する傾向があるためです。長い動画は、ひとつの情報を得るためだけに時間を消費すると受け取られ、スキップされてしまいます。
SNSのプラットフォームの種類により、最適な動画の長さは異なりますが、マーケティングでショート動画を利用する際には30秒程度にすると、スキップされにくくなります。
【メリット③】制作費を抑えられる
動画制作は再生時間が長いものほど、制作・編集にかかる時間や手間がかかります。用意する素材も必要で、多くの費用を要します。
ショート動画は、30秒〜1分程度であり、通常の動画よりも制作にかかる時間や手間を省けるため、その分制作費も抑えられます。またSNSのプラットフォームによっては、編集機能が搭載されているものもあり、アプリ内で撮影、編集、投稿を簡潔化でき、編集ソフトの必要がない場合もあります。
【メリット④】再生数（＝閲覧数）が伸びやすい
ショート動画は、長い動画よりも視聴するハードルが低く、気軽に見られるため、再生数が伸びやすい傾向があります。
SNSでは閲覧履歴により、関連がありそうな動画が表示されるため、自社の商品やサービスを知らない潜在顧客へのアプローチも可能です。
また継続的にショート動画を投稿することで、フォロワーの獲得もできます。フォロワーへは最新の投稿が通知されるため、定期的なアプローチが可能となります。
【メリット⑤】必要最低限のことが伝わる
ショート動画では、30秒〜1分程度の短い時間で、商品やサービスの特徴や企業の魅力を訴求します。
シンプルで簡潔に必要最低限のことを伝える内容にすることで、スキップされず最後まで視聴してもらえるでしょう。
ショート動画で商品やサービスの知名度を高め、関心を持ってもらえると、公式サイトへ誘導ができ、より詳しく商品やサービスについて伝える長尺の動画などのコンテンツを見てもらえる可能性も高まります。
【メリット⑥】スマホでいつ・どこでも閲覧可能
現在、スマホの所持率は9割を超え、SNSの利用者は約8割に達しています。ショート動画は、スマホがあればいつでもどこにいても閲覧できる手軽さが魅力です。
ひとつのコンテンツが30秒〜1分程度なので、視聴のハードルが低く、ちょっとした隙間時間や移動時間に視聴できるため、多くのユーザーに視聴してもらえるでしょう。
【メリット⑦】SNSで拡散される可能性
CM、雑誌、チラシなどこれまでの広告では、限られた地域や属性のユーザーにしか情報発信ができませんでした。
しかしSNSのプラットフォームでは、ユーザーが気に入った投稿をシェアしたり、拡散する機能があるため、1回の投稿で二次拡散が期待できます。
魅力的なコンテンツほど認知拡大が期待できます。これにより既存客だけでなく、今までアプローチできなかった層にもリーチが可能で、ターゲット層の拡大が期待できます。
ショート動画を活用可能なプラットフォーム
ショート動画を活用可能な代表的なプラットフォームには、You Tube、Instagram、TikTok、LINE VOOMがあります。
効率的なマーケティングを行うためには、それぞれのプラットフォームの特徴を知ることが大切です。
ショート動画を活用可能なプラットフォーム一覧
| 利用者数/利用者層 | 最大投稿時間 | 特徴 | |
| You Tubeショート | 10代～60代 | 最大60秒 | ・利用者数/利用者層が厚い ・他プラットフォームより新規参入のチャンスあり |
| Instagramリール | 10代～30代 女性が多い | 最大90秒 | ・スマホの画面に合う9:16 ・投稿の表示箇所が多く、フォロワー外も閲覧可能 |
| TikTok | 10代〜20代 若年層が多い | 最大10分 | ・15〜60秒程度の動画が多い ・一定数のユーザーに閲覧される仕組み |
| LINE VOOM | 10代～60代 | 最大60秒 | ・１日１度は利用されているSNS ・独自アルゴリズムにより、質の高い動画は拡散される |
①You tubeショート
You Tubeは動画コンテンツに特化したSNSで、PC環境での閲覧を前提としています。ユーザー層は10〜60代と、幅広く視聴されています。
You Tubeをマーケティングに利用し発信を行う場合には、2〜3分程度の動画にすることが多く、他のSNSと比べると長い動画が多いようです。
2021年7月には、ショート動画を好むユーザー向けに、スマホでも気軽に見られる「You Tubeショート」が登場。従来のYou Tubeとは異なり、最長60秒までの動画を視聴・投稿できます。他のSNSよりも新しいプラットフォームのため、利用している企業が少なく、これまでショート動画を投稿していなかった企業にも参入のチャンスがあります。
②Instagramリール
Instagramは、日常の写真や24時間のみ限定で公開されるストーリーなどをシェア・投稿を行うSNSです。ユーザー層は10〜30代の若い世代が多く、女性の割合が多いです。
リールは2020年8月に追加された機能で、最大90秒までの動画をシェアできます。動画の画角がスマホの画面に合う9:16のため、スマホはそのままの持ち方で全画面で動画が表示されます。発見タブ、ハッシュタグ検索など、投稿の表示箇所が多いため、フォロワー以外にも投稿を見てもらいやすいです。
③TikTok
TikTokは、スマホ向けの動画を投稿・閲覧するアプリです。ユーザー層は10〜20代が多く、若年層への認知拡大に効果が期待できます。
15秒〜10分までの動画が投稿されますが、15〜60秒程度の動画が多く占めるため、3分を超える動画はスキップされてしまう可能性が高いでしょう。
TikTokはすべての動画が一定のユーザーに閲覧される仕組みになっているため、始めたばかりでフォロワーが少なくても表示されます。
また、ユーザーの反応に応じてさらに多く表示されるようになるため、フォロワー数に関係なくバズると爆発的な拡散が期待できます。
④LINE VOOM（ラインブーム）
LINE VOOMは、メッセージアプリのLINEが提供する動画サービスです。以前からあったタイムラインが動画中心のコンテンツにアップデートされた機能で、友だちではなくてもフォローした相手の動画を見ることができます。
LINEのユーザー層は10〜60代と幅広く、多くの方が1日1回以上使用しているため、幅広い層に認知拡大を期待できます。最大60秒までの動画が投稿可能で、「おすすめタブ」ではおすすめの動画が再生されます。
また、LINE側の独自アルゴリズムで質の高い動画と判断されると、LINE VOOM内で拡散され、フォロワー以外にも多く表示されるようになります。
失敗しない！マーケティングでショート動画を制作するポイント・テクニック
マーケティングでショート動画を利用する場合には、再生数の上がる動画を制作することが大切です。
ここでは、ショート動画を制作する際のポイントとテクニックを紹介します。
１．目を引くサムネイル
ユーザーが最初に目にするサムネイルは、コンテンツを視聴するかどうかを判断する重要な要素です。サムネイルで興味を持ってもらえなければ、スキップされてしまいう可能性があります。
動画の顔となるものなので、直感的に目を引くサムネイルを作りましょう。
また、サムネイルに入れる文字数は20文字以内で、動画の内容がわかるものにすると、瞬時に読み取れ、クリック率が上がりやすくなります。
２．再生開始３秒で引き込む内容に
ユーザーの多くは再生開始から数秒で、その動画を見続けるかどうか判断します。
マーケティングのためのショート動画とはいえ、広告感が強いとスキップされてしまう可能性があります。そのため最初の3秒はインパクトや共感性を重視し、続きを見たいと思わせることが重要です。
また何の動画か早めにわかることも大切なため、再生開始の内容を明確にしましょう。
３．音声がなくても伝わるよう工夫する
ショート動画は、仕事や学校の休憩中や移動中など外出中で見る方が多いため、音声を消して視聴されることがあります。そのため、音声がなくても、企業側のメッセージが伝わるように工夫する必要があります。
テロップを入れたり、テロップにエフェクトを付けるなど視覚だけでも内容がわかり、インパクトを与えられる方法を考えましょう。
４．内容は詰め込まない、作り込みすぎない
ショート動画は「ながら視聴」する方が多い傾向があります。近年は、タイムパフォーマンスを重視する方が多く、倍速で見たり、テレビを見ながら、会話をしながら、パソコンを触りながら…など、何かをしながら視聴する方もいます。
集中して見ているわけではないため、内容を詰め込みすぎたり、作り込みすぎたりしても、細かいところまで見てもらえず、印象に残らない可能性があります。
短いメッセージでインパクトがあることが大切です。
５．簡単にショート動画を制作可能なサービスを利用する
動画制作のノウハウがない方が、再生数が上がるマーケティング用の動画を制作することは難しいでしょう。そのためにショート動画を作ってもらうサービスを活用することが、おすすめです。
「imagefreak」は、ポスター・チラシ・パンフレット・ホームページなどのデザイン済みの静止画データからオリジナル動画を作成できます。料金は30秒動画で50,000円で、2回までの校正は無料、最短3日で納品可能です。
制作にかかる時間や手間が大幅にカットでき、プロならではの編集であらゆるニーズやシーンに対応するショート動画を制作できます。
まとめ
SNSの利用者は年々増加しており、ショート動画の視聴者が増えていることから、今後ますます活性化することが予想されます。
ショート動画機能があるプラットフォームにはさまざまな種類がありますが、それぞれに特徴もユーザー層も異なるため、利用するSNSの選定も重要です。
自社の商品やサービスに合うターゲット層へアプローチできるものを見極め、効果的なマーケティングができるよう検討しましょう。
