近年重要度が高まっている「運用型広告」をご存じですか？実はいくつもの種類があるため、それぞれの特徴を踏まえて適切に展開することが大切です。
この記事では、今さら聞けない運用型広告について、その仕組みや課金方法、実施時のポイントなどをわかりやすく簡単にご紹介しています。
目次
運用型広告とは？意味と特徴を解説！
運用型広告とは、広告主が入札額や内容、対象、期間、予算等を自由に設定・変更できるインターネット広告のことです。
具体的には、リスティング広告（検索連動型広告）やコンテンツ連動型のディスプレイ広告などがあります。特定の顧客層に個別化した情報を表示できるため、視聴者のニーズや反応をすぐに測定し、成果を見ながら条件を更新できます。数百円単位から入札できるため、効率的で効果的かつ低予算で始められることがメリットでしょう。
タブレット端末やスマートフォンなどのデジタルデバイスの利用拡大とともに、近年ますます需要が増加している広告手法です。
純広告とは？
純広告とは、広告主が特定メディアの広告枠を買い取って掲載する広告です。スペースを事前予約して広告出稿するため、「予約型広告」とも呼ばれています。
テキストやバナー、動画と音声を組み合わせたリッチメディア、メール、記事などのさまざまな形態で展開されており、掲載位置や期間、配信回数によって出稿料金が決められます。期間保証型、クリック保証型など、合意条件が満たされるまで広告が掲載される保証型の課金方法が多いのが特徴です。
運用型広告と純広告 どのように運用・活用すべき？
運用型広告は、特定の性別や年齢、所在地、職業などのターゲットを設定して訴求したり、自社サイトの閲覧者、既存顧客などへアプローチする際に大変有効です。競争が激しい市場ではリアルタイムでの成果分析や内容の変更を行えることは利点でしょう。
一方で純広告は、潜在顧客への認知度を高めるために向いています。訪問数・閲覧数の多いWebメディアや知名度の高いSNSメディアへ広告を掲載することで、多くの人にアピールでき、露出が向上します。
運用型広告・純広告、それぞれのメリットを活かし、運用しましょう。
運用型広告の仕組みと課金方法
それではこれから、運用型広告の仕組みと課金方法を順に見ていきましょう。
運用型広告の仕組み
広告主は、Google Adsなどの広告掲載プラットフォームにアカウントを作成することで利用開始できます。
まずはクリック回数や表示回数といった配信指標に対し、一定額を入札します。需要の高い広告（例：検索頻度の高いキーワード）ほど入札単価が上がります。その後システムが自動でオークションを行い、高額入札者の広告から上位・優先スペースに表示されます。
運用型広告の課金方法
運用型広告の課金方法は、複数あります。
主なタイプは、クリック回数に応じたCPC課金型、表示回数に応じたインプレッション課金型、ダウンロード回数に応じたインストール課金、視聴回数に応じた視聴課金型など。
貴社の広告の達成目標や予算に応じて、最適な課金方法を選択してください。
運用型広告の種類 特徴を解説！
以下に、多々ある運用型広告の種類と特徴を簡単に解説します。
リスティング広告（検索連動型広告）
検索エンジンの検索結果ページにテキスト形式で表示される広告です。広告主が特定の検索キーワードに対して入札し、ユーザーがその単語を検索すると、高額入札の広告から上位に掲載される仕組みとまなります。
多くがクリック課金型を採用しており、表示だけであれば料金が発生しない点が最大のメリットです。
コンテンツ連動型広告（ディスプレイ広告）
Webサイトやスマホアプリなど、さまざまなコンテンツに連動して表示される広告です。画像や動画、テキストを用いた魅力的なビジュアル要素で製品やサービスの特長を伝えられます。
自然な形で関連性の高い広告を視聴者に表示でき、商品や企業の認知度向上とイメージ構築に有効です。
SNS広告
SNS=ソーシャルネットワークサービスを活用して実施する広告のことです。利用者から直接投稿されるコメントやシェアなどのアクションを期待でき、相互にコミュニケーションを促進しながら、即座に情報を拡散できます。
若い世代や特定の趣味を持つユーザーへ効果的に訴求でき、認知度の向上と販売促進に役立ちます。
動画広告
音声と映像を駆使した動画で、メッセージを伝達する形式です。Webサイトはもちろん、アプリや会員制の動画配信サービスなどに組み込んで表示させます。
視聴者に視覚的・感情的に訴えて強い印象を残せる一方で、広告ブロッカーによって無効化されたり、突然音声が出るため忌避されるというリスクもあります。
アドネットワーク
複数のWebサイトやアプリに広告を一括提供するための配信管理プラットフォームです。掲載枠の買い取りからターゲット設定、広告の展開、効果測定、データ分析、最適化までを自動で行い、管理することができます。
ただし、広告内容と掲載先の組み合わせを指定できず、望まないメディアに自社広告が流れてしまうリスクもあります。
運用型広告のメリット
ここからは、運用型広告のメリットをご確認ください。
【メリット①】リアルタイムでユーザーの反応を把握、改善できる
広告に対し利用者が何らかのアクションを行うと、クリック数や表示回数、コンバージョン率といったデータが迅速に集計されます。
このデータに基づいて、ターゲティング設定を随時変更し、より関連性の高いセグメントを特定して、配信精度を高めることができるのです。
【メリット②】ターゲティングを細かく設定できる
運用型広告では、年齢や性別、所在地といったデモグラフィック情報やユーザーの興味・関心、ページ訪問履歴や購入履歴、使用デバイスなどに基づき表示条件を設定できるため、より精度の高いターゲティングが可能となります。
これにより、最適な広告を最適なターゲットへ最適なタイミングで掲載できるのです。
【メリット③】配信頻度・内容をコントロールできる
掲載期間をはじめ、特定の曜日や時間帯に限定して表示したいなど、配信頻度を細かく指定でき、必要に応じて一時停止および再開も可能です。
ユーザーの反応や評判に応じてテキストや画像等のクリエイティブやリンクなどの要素を即座に変えられるため、柔軟かつ効果的に広告を配信できます。
【メリット④】少ない予算から始められる
運用型では、入札単価を自由に決定できます。少額からでも開始できるため、予算に合わせて入札額を調整できるのです。また、データを活用して無駄な広告表示やクリックを削減し、コスト効率の向上も目指せるでしょう。
また広告のパフォーマンスに応じて予算を再配分・最適化できる点もメリットです。
運用型広告のデメリット
上記のメリットを理解したら、デメリットも把握しておくことが大切です。
【デメリット①】成果が安定するまで時間がかかる
広告が表示・クリックされてから、購入や登録といった実際の成果が出るまでには時間差があります。また、広告の最適化には機械学習アルゴリズムを採用しているプラットフォームが多く、ユーザーからのデータ蓄積と学習にも時間がかかります。
運用型広告のマーケティングが功を奏するまでには、十分な時間と戦略的なアプローチが必須です。
【デメリット②】広告以外の知識も必要
最適なターゲティングに欠かせないデータの分析技術や、リアルタイムでの設定変更に関するノウハウなど、広告以外の知識も必要です。広告を実施するプラットフォームのツールも理解し、経験を積まなければなりません。
自社に適任者がいない場合は、外部のWeb広告専門業者や広告代理店などに依頼するのも一手です。
【デメリット③】手間がかかる
運用型広告は「出稿して終わり」ではありません。適切な掲載条件の設定や最新のデータ分析、競合他社の入札額や広告表示状況の把握など、一定の手間がかかります。
広告の最適化および予算管理には継続的かつ長期的な作業を要するため、時間と労力を惜しまずに続ける必要があるマーケティング活動とも言えるでしょう。
効果的な運用型広告のポイント
最後に、効果的な運用型広告の活用方法について、4つのポイントをおさえておきましょう。
１．配信状況は毎日確認。PDCAサイクルをまわす
広告の配信状況は、毎日定期的にモニタリングし、計画（Plan）・実行（Do）・評価（Check）・改善（Act）のPDCAサイクルを回しましょう。
クリック回数やコンバージョン率などのデータを収集したら、必要に応じて柔軟に設定や予算の調整を行い、最適な費用対効果を維持できるようにしてください。
２．遷移先のWebサイトは適切か
遷移先のWebサイトの適性確認も忘れずに行いましょう。広告をクリックしてアクセスした閲覧者に、読みやすく魅力的なコンテンツを提供して、購入や会員登録などのアクションを喚起するランディングページを用意してください。
モバイル対応のレスポンシブデザインやページ読込速度などの使いやすさにも注意をはらい、高いユーザーエクスペリエンスを確保することが成功の鍵です。
３．ターゲットにあった媒体・クリエイティブを選定する
対象の顧客層へメッセージを効果的に届けられるチャネルを特定してください。さらに、ターゲットの興味をひく広告コンテンツを制作し、訴求力を高めましょう。
多くの企業がWebメディアで運用型広告を活用している現在、これは効果を上げるために欠かせないポイントです。
まとめ
最低限の予算で開始でき柔軟に広告を展開できる一方で、結果が出るまでに時間を要し専門知識も必要な運用型広告。上手に活用し、広告を実施してください。
