「リレーションシップマーケティング」と聞いて、皆さんはどんな戦略のことかお分かりになりますか?用語としては聞いたことがあっても、詳細はなかなかつかみにくいものですよね。
この記事では、今さら聞けないその意味や特徴、今注目されている理由をわかりやすく簡単に解説しています。ぜひご一読ください。
目次
リレーションシップマーケティングとは？意味と特徴を解説
リレーションシップマーケティングとは、英語の「Relationship=関係」と「マーケティング」を組み合わせた専門用語です。お客様との関わりを1回限りの取引で完結させるのではなく、長期的・持続的な関係を築くことを重視するビジネスアプローチです。
消費者のニーズや要望に基づいてサービス・製品を提供し、購入後にも定期的かつ効果的なコミュニケーションを実施。顧客の忠誠心を育み、結びつきを強化することが目的であり、その結果として、収益増加を後押しするための戦略です。
リレーションシップマーケティングが注目されている理由
それでは、リレーションシップマーケティングが注目されている理由は何でしょう?
１．消費者行動の変化
その理由のひとつめは、ここ数十年における消費者行動の変化・複雑化が挙げられます。近年の消費者は、より自分に適した体験や製品を求め、個別化されたユーザーエクスペリエンスを重視するようになりました。これには製品やサービスはもちろんのこと、購買体験も評価の対象としています。
こうしたことから企業は、新たなマーケティング戦略を展開し、顧客満足度を高める必要があるのです。
２．インターネットやSNSによる情報量の増加
インターネットやSNSの普及により、消費者は商品やサービスに関する膨大な情報を購入前に確認することが当たり前となり、競合との比較も可能となりました。オンラインショッピングも一般化し、利用者が投稿する率直な口コミの影響力が急増しています。
このため、リレーションシップマーケティングを通じて、これまで以上に深い洞察に基づく施策や顧客プログラムを打ち立てることが注目されているのです。
リレーションシップマーケティングのメリット
次に、リレーションシップマーケティングのメリットを見ていきましょう。
【メリット①】リピート率のアップ
お客様と長期的な関係を築くことを目的とする、リレーションシップマーケティング。継続的に商品価値や特典を顧客に提供する手法を戦略に盛り込むため、リピート購買の傾向が高まります。
リピート率が向上すると企業は安定した収益を確保できるため、競争力を維持して優良顧客を囲い込めるでしょう。
【メリット②】新規顧客開拓のためのコスト低下
リレーションシップマーケティングでは、既存顧客との関係強化により、新規顧客開拓のコストを抑えることができます。既存顧客による好意的な口コミや紹介により、新規顧客の興味・関心が高まり、購入に至るケースが増えるためです。
そのため、広告やプロモーションにかかる費用を削減し、効果的なリソースを活用可能になります。
【メリット③】客単価向上
他にもリレーションシップマーケティングでは、関連する商品やサービスを提案するクロスセル、ワンランク上のアイテムを提案するアップセルを行うことで、客単価向上にも繋がります。さらに、特典およびポイントをためられる会員プログラムや割引コードを提供するのも一手。購買意欲を刺激し、１人１回あたりの取引額を高めることができます。
こうしたアプローチにより、客単価向上という大きなメリットがもたらされ、収益増加に直接つながるのです。
【メリット④】顧客との関係性を強化できる
メール配信や定期的なメッセージの送信、相互コミュニケーションの展開等の取り組みにより、企業と顧客の信頼関係を築いていくのもリレーションシップマーケティングのメリットです。
アンケートやフィードバックから顧客の好みを理解し、個々のニーズに応えながら、感謝や共感を示すことで、顧客との感情的な結びつきを深めていきます。
【メリット⑤】顧客による好意的な口コミ
顧客関係を最良化し、好意的な口コミを獲得できるのも利点です。満足度の高い顧客は高評価のレビューを残し、SNSなどで利用を推奨することが多々あります。
利用者の口コミは他の消費者にとって信頼性が高いのが特徴です。自発的にポジティブな体験を共有してもらうことで、企業の信頼性と認知度を高められるでしょう。
リレーションシップマーケティングを実践するための２つの手法
最後に、リレーションシップマーケティングを実践するための2つの手法をご紹介します。
データベースマーケティングとは？
顧客に関するデータベースを活用してターゲットを特定し、個別の施策を実施する手法です。具体的には、消費者の購買履歴や嗜好、行動パターンなどをリアルタイムで分析・理解し、パーソナライズした販促活動を展開します。
デジタル時代において重要な戦術であり、高度なデータ解析技術を駆使して、マーケティング活動全体の効果を押し上げます。
リレーションシップマーケティングでどう活用するのか
データベースマーケティングを採用することで、顧客の購買履歴や行動データを分析・セグメンテーション化し、顧客の要望に沿った異なるコミュニケーションを行うことが可能となります。また、随時最新情報を更新し、需要や問題点に迅速に対応することもできます。さらに、データベースから得られるフィードバックを踏まえて、商品やサービス内容の調整も図れます。
データベースマーケティングは、リレーションシップマーケティングを効果的・効率的に支えて顧客関係を深化させるための重要な手法のひとつです。
アカウントベースドマーケティング（ABM）とは？
特定の「アカウント」にアプローチする手法です。ここで言うアカウントとは、顧客グループや企業、組織、ビジネス団体などを指し、対象のアカウントに焦点を当てて最適な戦略を展開するやり方です。
ABMと約され、主にBtoB市場で利用されます。営業担当とマーケターとの密接な協力が必須で、高額取引や提携関係維持に効果的です。
リレーションシップマーケティングでどう活用するのか
ABMでは、企業のビジョンやビジネス目的に合致するアカウントを厳選し、優先順位を付けます。その後、各アカウントに関するデータベースを構築し、顧客行動や嗜好、需要などの情報を継続的に収集。それに合わせたコンテンツやキャンペーンを作成し、アカウントごとに異なるニーズや課題について理解を深め、営業と情報を共有して、対象アカウントにカスタマイズされた価値提案を行います。
個別のアカウントに焦点を当てて、営業とマーケティング部門が一貫した取り組みを行うことで、より強力な提携関係を構築し、ビジネスの拡大につなげられます。
まとめ
近年ますます重要度が増しているリレーションシップマーケティング。今こそ貴社でもご活用ください。
