近年、YouTubeなど動画配信サイトの成長に伴い、動画広告の市場規模が拡大し続けています。
しかし動画広告を活用したいと思っているものの、「どれくらいコストがかかるのか分からない」「いろんな種類があるようだけど、違いを知りたい」と考えている企業も多いのではないでしょうか。
今回は、動画広告の種類や特徴、課金方法について解説します。
目次
動画広告とは?意味と特徴を解説!
動画広告とは、その名の通り動画の形式で掲載する広告のことです。代表的なものでは、YouTubeの動画コンテンツ内や、SNSのタイムライン上などで見かけることが多いでしょう。
動画広告は、視聴者の視覚と聴覚に訴えかけることで、商品やサービスをより魅力的に伝えられる点が大きなメリットです。また、従来のテキストや静止画などの広告と比べて、短時間で多くの情報を伝えられます。
商品やサービスのストーリーを演出しやすく、視聴者の関心を高められることも動画広告の特徴です。今や商品・サービスの認知拡大だけでなく、自社のブランディング、販売促進など様々なシーンで活用されています。
動画広告の課金方法
動画広告は、一般的に成功報酬型の課金方式が採られています。代表的な3種類の課金方法を見ていきましょう。
CPM課金
CPM(Cost Per Mille)課金とは、広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する方式です。クリックやCV率とは関係なく、広告表示(インプレッション数)された回数に応じて課金されます。
他の課金方式と比べてコストを抑えられ、広告の露出やブランド認知を高めたい場合に適した課金方式です。
CPC課金
CPC(Cost Per Click)課金とは、広告がクリックされた回数に応じて料金が発生する方式です。
CPC課金は、特定のアクションやCVが見込める確度が高いユーザーへの訴求に適しています。ユーザーが興味を持った状態でアクセスするため、サイト遷移をもとに効果測定しやすいのも特徴です。
CPV課金
CPV(Cost Per View)課金とは、動画広告の再生回数に応じて料金が発生する方式です。
特定の期間以上視聴された場合や、一定のポイントまで視聴された場合など、媒体ごとに「再生」とみなされる条件は異なります。再生されなければ費用は発生しないため、費用対効果の高い課金方式と言えるでしょう。
動画広告の種類
動画広告には様々な種類があり、それぞれが持つ特性によって細かく分類できます。動画広告の種類を詳しく見ていきましょう。
インストリーム広告
動画コンテンツ内に挿入される広告形式のひとつで、動画の前後や途中に挿入される広告のことです。
インストリーム広告はさらに、動画広告をスキップできる「スキッパブル広告」、スキップできない「ノンスキッパブル広告」という2つの形式に分けられます。
また動画広告が再生されるタイミングによって、「プレロール広告」、「ミッドロール広告」、「ポストロール広告」という3種類に分類することも可能です。
スキッパブル広告
動画広告を途中でスキップできるタイプの広告形式です。視聴者が任意のタイミングで動画広告を飛ばして本編視聴に移れます。そのため、最後まで広告を見てもらえないことも少なくありません。
視聴者が広告をスキップしないように、クリエイティブな工夫や効果的なストーリーテリングが求められます。
ノンスキッパブル広告
スキッパブル広告とは逆に、広告をスキップできない広告形式です。
視聴者は動画広告を強制的に視聴しなければいけません。逆に言えば、広告を最後まで見てもらうことで、ブランドメッセージを伝えられるチャンスにもなります。
一方で、視聴者にマイナスのイメージを与えるリスクも高いので、慎重なターゲティングが必要です。
プレロール広告
プレロール広告とは、動画コンテンツの視聴前に広告を表示させる形式です。一定の時間が経過するとスキップできる場合もあります。
プレロール広告は、本編再生前に広告が表示されるため視聴率が高くなるのがメリットです。そのため、ブランド認知向上を目的としている場合に効果を期待できます。
ミッドロール広告
ミッドロール広告とは、動画コンテンツの途中で広告が挿入されるタイプの広告形式です。
ミッドロール広告は、視聴者が動画を視聴している途中に広告が表示されるため、視聴者の注意を引くことが可能です。動画コンテンツのストーリーに沿った内容・タイミングで配信することで、より広告効果を高められます。
ポストロール広告
動画コンテンツの再生後に表示される広告形式です。
視聴者がコンテンツを視聴した後に広告を表示させることで、商品やサービスのメッセージを強調できます。プレロール広告やミッドロール広告と違って、そのまま視聴を終えられてしまう可能性が高いため、視聴者の興味を引くクリエイティブなアプローチや、コンテンツの質が重要です。
バンパー広告
非常に短い時間でブランドやメッセージを伝える動画広告形式です。
一般的には6秒以下の短い動画広告で、基本的に視聴をスキップできません。素早くブランドや商品・サービスの魅力を伝え、視聴者の関心を引くことが目的です。
再生時間が非常に短いため、クリエイティブなアプローチやメッセージを簡潔に伝えることが求められます。
アウトストリーム広告
動画コンテンツの一部ではなく、Webサイトやアプリなどの広告枠に独立して表示される広告形式です。主に記事の間や、ページの特定の位置に配置されます。
視聴者がページ上でスクロールしたり、広告が表示された領域に到達すると、動画が再生される仕組みです。Webサイトやアプリ内でユーザーの注意を引きつけ、ブランドや商品などのメッセージを伝えるために利用されます。
インタースティシャル広告
主にコンテンツ内でページを切り替えた際に表示される広告形式です。ページの前面に表示されたり、フルスクリーンで表示されたりすることが多いため、ユーザーの注目を集めることができます。
一定の時間が経過すると閉じられるものもありますが、一般的には閉じるまで表示され続けます。 ブランド認知の向上やCV誘導が可能ですが、ユーザーから敬遠されないよう一定の配慮が必要です。
インリード広告
記事やSNSのフィードなどの間に表示される広告形式です。ページをスクロールして広告が表示されると、自動的に再生されます。
画面上に表示されなければ視聴してもらえませんが、発見されると最後まで視聴してもらえる可能性が高い広告形式です。
特にSNSを頻繁にチェックしているユーザーの目に留まりやすく、ブランド認知や商品・サービスの訴求効果が期待できます。
インバナー広告
通常のバナー広告と同じく、メディアのバナー広告枠に掲載できる動画広告です。
インストリーム広告と違って動画コンテンツ内で再生される広告ではないため、あまり高い視聴率は期待できません。一方で動画コンテンツ以外のメディアに掲載できるため、特定のユーザーをターゲティングすることで、CV率を高められるのがメリットです。
動画広告の注意点
動画広告はただ掲載すれば効果が見込めるというものではありません。動画広告を出稿する際に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。
広告の形式・課金方法は適切か
目的・ターゲットに合った広告形式、課金方法になっているかが重要です。
たとえば、自社のブランドや商品・サービスの「認知」が目的であれば、視聴者の目に留まりやすいプレロール広告が適していると言えます。さらにCVにまでつなげたいと考えている場合は、より強い訴求力があるインタースティシャル広告やインバナー広告を選択するのが近道でしょう。
動画フォーマットの確認
プラットフォームによって、対応している動画フォーマットが異なるため注意が必要です。
たとえば、YouTubeの推奨ファイル形式はMP4ですが、XやInstagramではMOVやGIFにも対応しています。また、広告の種類によって動画の長さやファイルサイズも決まっているため、あらかじめ確認しておきましょう。
出稿したい媒体と動画内容はあっているのか
媒体の特性・カラーと、自社のターゲット層や動画内容がマッチしているかどうかも重要です。
たとえば、中高年の主婦層をターゲットにしているのに、TikTokなど若年層向けの動画媒体へ出稿しても思うような反響は望めないでしょう。この場合、YouTubeなど幅広い層にリーチできるメディアを利用した方が効果的だと考えられます。
まとめ
動画広告はアプローチの仕方次第で非常に高い効果が期待できます。動画広告を出稿する際の注意点をしっかり押さえ、上手く活用しましょう。