ポスティングは、家に直接広告を届けて幅広い世代に宣伝できる方法です。Webや新聞など他のメディアに頼らず、地域密着で自由度の高いアプローチができます。
「ポスティングって自分の業種に向いている?」「デメリットは?」分かっているようで知らないポスティングについて、デメリットも含めてわかりやすく解説します。
ポスティングとは?意味と特徴を解説!
ポスティングとは、個人宅の郵便受けに紙媒体の広告を直接投函する方法です。昔ながらのやり方で目新しさはないものの、実は他の宣伝方法のデメリットをカバーできるとして需要が増えている分野。
同じ紙媒体でもDMを郵送するよりコストがかからず、新聞に折込チラシを入れるよりも目に留まりやすい特徴があります。広告主の都合に合わせ、広告の情報量を調整できたり配布エリアを選べる点も魅力です。
折込チラシ・ポストインと「ポスティング」との違い
郵便受けに広告を入れる宣伝方法は、ポスティングのほか折り込みチラシやポストインもあります。それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
折込チラシとは?
折込チラシは、新聞に挟まれて配布される広告です。すでにある新聞配達網を使って迅速に大量配布できるため、セールやキャンペーンの告知もタイミングよく行えます。
ポストインとは?
ポストインとは、配送業者が提供する配送サービスのひとつ。主に自宅のポストに入るサイズの宅配物の配送サービスの総称です。
各事業者が取り扱っているポストインサービスの一例は、以下の通り。(2024年6月現在)
- ゆうパケット(日本郵便)
- クリックポスト(日本郵便)
- レターパック ※レターパックプラスは対面、レターパックライトは非対面(日本郵便)
- クロネコゆうパケット(ヤマト運輸)※旧サービス名:ネコポス、メール便
- 飛脚メール便(佐川急便)
ポストに入るサイズを基準としているため、取り扱いサイズは「厚さ3cm以内かつ3辺の合計の大きさ60cm以内で重量1kg以内」に定められています。(ヤマト運輸の場合。佐川急便は厚さ2cm以内かつ3辺の合計の大きさ70cm以内、重量1kg以内。日本郵便は配送サービスにより異なる)
利用実績のあるお店から届くDM(ダイレクトメール)は、ポストイン広告の代表的な存在です。商品カタログやパンフレットなど、じっくり見てほしい印刷物や規定内の大きさの販促品を送付することで、宣伝効果を期待できるでしょう。
「ポスティング」「チラシ」「ポストイン」の明確な違いを解説
地域に密着した広告という点では、ポスティングと新聞折込チラシは近い存在です。コストも大差はありませんが、新聞は細かくターゲットを絞れず大量のチラシの中で存在感が薄れがちになります。
ポストインは、顧客情報を持っていればターゲットを絞ってアプローチも可能ですが、コストが高くつくのが難点。
その点ポスティングは、折込チラシとポスティングの両方のいいとこ取りができる存在です。配布先を調整してターゲットを絞りやすく、低コストで効率よく宣伝効果が得られます。
ポスティングの種類
ポスティングは、配布方法によっていくつかの種類に分けられます。広告のジャンルや内容によって告知したいターゲット層が変わるため、選び方次第で費用対効果も変わります。
全戸配布
全戸配布は、指定したエリアにあるすべての郵便受けに広告を投函する方法です。戸建て住宅、マンションなど個人宅だけではなく、テナントビルや会社事務所なども投函先に含まれます。
例えばフードデリバリーやハウスクリーニングの広告、近隣エリアでオープンさせる美容室の案内は全戸配布向きです。
個人・企業問わず、エリア全体に周知を徹底したいときや幅広くニーズがあるサービスの宣伝によく使われます。
選別配布
選別配布は、指定したエリアの中でも配布先を限定した投函方法です。
賃貸マンションの郵便受けに不動産情報を入れる、ファミリーが多いマンションや新築分譲エリアに学習教室の案内を入れるといった方法が代表的。
業者に配布を依頼する場合、オプション扱いとなり全戸配布と比べると価格はやや割高になる傾向です。一方で、広告の枚数を抑えつつレスポンス率を上げる効果が見込めます。
単独配布
単独配布とは、1種類の広告のみを郵便受けに入れていく方法です。郵便受けに入るのがひとつだけで目に留まりやすく、他のチラシの影響を受けにくいためブランド価値が高められます。
1種類のみのため、配布エリアや日程、配布枚数の自由度が高めな点もメリット。一方で、前後にもチラシが投函されていると埋もれてしまい。単独配布のメリットが十分に生かされません。
併合配布
併合配布は、他の会社の広告も一緒にまとめて郵便受けに投函される方法です。単独配布よりも投函の手間がかからないため、単価が安く広告宣伝費用を抑えられるメリットがあります。
ただし他社の広告に混じって注目度が下がるだけでなく、目を通す前にまとめて捨てられてしまう可能性も。投函方法によっては悪印象にもつながるため、質の良いポスティング業者を選ぶのがポイントです。
ポスティングのメリット
ポスティングは、地域を絞ってキメ細かいアプローチをするのにぴったりの方法です。ターゲットを効果的に絞れるため、低コストで一定のレスポンスも得られます。
3つのメリットについて、より詳しく見ていきましょう。
【ポスティングのメリット①】チラシ広告が届かない層へのアプローチ
折り込みのチラシ広告は、新聞の定期購読をしていない家庭には届きません。購読している家庭でも、スーパーや家電量販店など多数のチラシに紛れると認識されずに捨てられる可能性もあります。
近年は若い世代を中心に新聞離れが進んでいるため、世代を問わず広く宣伝するならポスティングのほうが効果的。郵便受けから出すときに必ず目に留まるので、ニーズがある人を取りこぼさずアプローチできます。
【ポスティングのメリット②】地域・ターゲットを絞って投入できる
ポスティングは配布地域やターゲットを絞れるため、できるだけ無駄な広告費を出さずターゲットにだけアプローチできます。新聞の折り込みチラシやWeb広告にはできない、キメ細かいターゲット選定ができるのが特徴です。
エリアを絞ってポスティングできるのは、地域密着タイプのサービスを目指す場合にも効果的。紙媒体なら手元に残して置けるので、「いつか利用するかも」という潜在的なニーズに対しても訴求力が強いです。
【ポスティングのメリット③】コストパフォマンスが高い
同じ部数を配布するなら、ポスティングはポストに広告を投函する他の方法よりも低コストで済みます。既存の郵便や宅配サービスを利用すると、どうしても輸送費が高くついてしまうためです。
例えば日本郵便を利用してハガキのDMを送る場合、1通63円の基本料金に対して最大割引率は33%(1通あたり約42円)※。一方で、ポスティングは1部あたり10円以下となるケースがほとんどでコストパフォーマンスが高いのが分かります。
※参照元:郵便局|広告郵便物
ポスティングのデメリット・注意点
ポスティングを利用するなら、デメリットも理解しておく必要があります。投函禁止の家庭もあること、価格が安すぎる外注業者は要注意。メールと違って配布は配達員がひとつずつ行うため、宣伝に時間がかかる点も考慮しましょう。
【ポスティングのデメリット・注意点①】「投函禁止」のところへ投函した場合
家庭やマンションによっては、ポスティング広告類は「投函禁止」と注意書きがある場合があります。投函してしまったあとに気付いて、回収できないからと無理に取り出そうとしてはいけません。
郵便受けを壊してしまえば器物破損罪に、郵便物を盗もうとしていると勘違いされたら窃盗罪に問われるリスクがあります。ひとまず静観し、苦情が入ったら誠意のある謝罪をしましょう。
【ポスティングのデメリット・注意点②】外注業者の選定は慎重に
ポスティングを外注する際は、ただ安さだけで決めずサービスが丁寧な業者を選びましょう。雑に投函されれば広告の印象は悪くなるし、投函すらせず広告を捨てるといったタチの悪い業者もいます。
業者選びの際は、苦情対応の有無や配布スタッフの教育・管理、配布したい地域に強い業者かどうかの見極めが肝心です。サービスに問題がなさそうなら、コスト面で折り合いがつく業者に候補を絞っていきましょう。
【ポスティングのデメリット・注意点③】配布完了までに時間がかかる
ポスティングは1件ずつ人が配って歩くため、どうしても配布を完了するまでに時間がかかってしまいます。外注せず自分だけでやろうとすると、通常業務に加えてポスティングに多くの時間を費やさなくてはなりません。
新規オープンやキャンペーンに合わせてポスティングしたい場合、タイムリミットも意識する必要があります。外注もうまく取り入れて、コストとかける労力に折り合いをつけましょう。
ポスティングが向いている業種
エリアやターゲット層を絞れる点では、主に美容や健康、飲食関係の店舗や不動産関連の業種はポスティング向きと言えます。
- 美容室
- 理容室
- エステサロン
- 整体院
- カフェ、飲食店
- 家、土地の情報
潜在的なニーズにアプローチできる業種も、ポスティングによる宣伝が効果的です。
- 食品デリバリー
- ハウスクリーニング
- 習い事
一度配布しただけでは効果は計れません。繰り返しポスティングすることで、認知度やレスポンス率も向上します。
まとめ
ポスティングは、ターゲットとする層にダイレクトに広告を届けられます。自分の業種との相性や費用対効果を検証しながら、効果的なポスティング方法を選びましょう。