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定性調査とは?定量調査との違い、メリット・デメリット、種類と特徴を徹底解説!

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定性調査とは?定量調査との違い、メリット・デメリット、種類と特徴を徹底解説!

皆さんは、リサーチの手法である「定性調査」という手法をご存じですか?混同されがちな定量調査との違いを説明できるでしょうか?

この記事では、定性調査の意味と特徴、重要性、手順・やり方、メリット・デメリットを簡単にわかりやすくご説明します。今後のマーケティング活動にぜひお役立てください。

定性調査とは?意味と特徴をわかりやすく解説!

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定性調査(ていせいちょうさ)とは、研究やリサーチの一部として、主に質的なデータを収集し分析する方法です。数量的なデータではなく、コメントやフィードバックなど言語的な情報や記述に焦点当てます。

この方法は心理学や社会学、教育学、マーケティングといった多分野で使用されており、現象や社会的文脈について深い理解を提供します。

中でもマーケティングにおける定性調査では、消費者の態度、意見、行動、ニーズ、生の声、購買決定の背後にある要因などを調べます。これにより、市場に関する重要な洞察を獲得できるのです。

定量調査との違い

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定量調査とは、主に数量データを集めて統計的な解析を行います。数値に基づく一般的な傾向を把握するのに適しています。

定性調査は言語的な情報や意見を重視しているため、統計的な解析は難しいことがあります。

定性調査は対象への深い理解を、定量調査は数量データに基づく客観的な結果を提供します。そのため、両者は目的や問いに応じて相補的に活用できるのです。

定性調査と定量調査、どちらを先に行うのが適切?

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目的に応じて、どちらを先に行うかは変わります。

初期理解が必要な場合は定性調査を優先し、新たなトピックや現象を調べます。一方、既存の仮説の検証や数値目標の評価を行うには定量調査が適しています。

双方を統合的・逐次的に組み合わせるのも有効です。計画段階で注意深く検討し、最適な順序を決めることが肝要です。

定性調査の重要性

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定性調査は、深い洞察を得て消費者を理解し、市場のセグメント化や新製品開発に取り組み、ブランド戦略を策定して、文化・世代間の差異や価値観の変化に対応するために不可欠です。

特に現代の多様で進化を続ける市場環境では、消費者の声を聞き、深い洞察に基づく意思決定を行うことが、競争力の維持と持続的な成長の鍵といえます。消費者の声をリアルタイムで収集しビジネスに反映させるために、定性調査の重要性は高まっています。

定性調査を行う目的

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定性調査は次のような目的で実施されます。

  • 新製品開発:消費者の需要や好みを理解し、新製品のアイデアを入手
  • 戦略策定:ブランドのイメージや価値観を確認し、戦略を策定
  • マーケットセグメンテーション:異なるセグメントを特定し、個別にターゲット化
  • 販促の効果測定:キャンペーンや広告の効果を測り、消費者の反応を理解
  • 市場動向の分析:市場の変化や競合の情報を集め、戦略を調整
  • 満足度調査:利用者の満足度を調べ、改善策を決定
  • 商品評価:商品の品質や機能について、顧客の評価を収集

定性調査のメリット

それでは、定性調査を活用するメリットをご説明します

【メリット①】数値化が難しい深層心理まで調査ができる

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まず、数値化が難しい深層心理まで調査ができる点です。数値では捉えきれない感情や意見、信念、動機などの要素を明らかにし、消費者の行動や意思決定の背後にある真意を理解できるのです。

これにより、製品やサービスの開発、マーケティング戦略の最適化、新しい機会の発見、消費者に合わせたカスタマイズが可能になります。

【メリット②】消費者のリアルな声や反応がわかる

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消費者のリアルな声や反応がわかるのもメリットです。定性調査ではオープンエンドの質問や対話を行うため、製品やサービスに対する消費者の思いや考えを詳細に理解することが可能です。

生の意見や体験を聞くことで、製品の長所や短所、満足度を把握し改良点を特定できるほか、顧客志向のアプローチも強化できます。

【メリット③】調査の中から想定外の商品ニーズが読み取れる

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さらに、調査中に想定外の商品ニーズを読み取れるというメリットもあります。消費者との対話や深い洞察を通じて、思わぬ要望や問題点、未解決の課題を抽出できるのです。

マーケットリサーチにおいて、隠れたニーズやトレンドの理解は競合との差別化を図るのに有益で、市場での革新的なアプローチを可能にします。

定性調査のデメリット・問題点

一方で、定性調査のデメリットや問題点も念頭にいれておきましょう。

【デメリット①】時間と手間がかかる

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デメリットのひとつは時間と手間がかかることです。定性調査は対話や質問、対象者の観察などの手法でデータを収集・分析する必要があり、即座に結果が出にくいのです。

加えて、一般的な傾向を把握するには定量調査で補完した方が良い場合もあります。そのため、綿密なプロジェクトの計画と適切なリソースの配分が必要です。

【デメリット②】情報量が多く精査が困難

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さらに、情報量が多く精査が困難な点もデメリットとしてあげられます。質問や対話を通じて得られるデータは複雑かつ主観的で、様々な意見が含まれています。それらを整理し、誤解を避けつつパターンや傾向を特定し、客観的な解釈をするには詳細な分析が欠かせません

適切なデータ整理ツールを活用し、体系的に分析を行うことが重要です。

【デメリット③】調査スキルが高いインタビュワーが必須

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また、調査スキルが高いインタビュワーが必須です。定性調査では対話や問いを通じて情報を集めるため、適切な質問技術と中立的な倫理観を持って追究する姿勢が求められます。参加者のプライバシーを尊重し、信頼関係を築く必要もあります。

調査の品質と信頼性を損なわないよう、優れたインタビュワーを選別しトレーニングを徹底してください。

定性調査の種類と特徴

メリットとデメリットを踏まえた上で、定性調査の種類と特徴を6つご紹介します。

デプスインタビュー

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デプスインタビューは、一対一の対話形式で特定のトピックを掘り下げ、個人の意見や感情を詳細に理解する手法です。個別対話のため、率直なコメントを引き出しやすいと言えます。

デプス(Depth=深さ)という呼称通り、深い話し合いを通して消費者のニーズや意見を把握でき、戦略の改善に役立てられます。

グループインタビュー

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グループインタビューは、複数の参加者が同時に討論する対話型の調査手法です。通常6~10人程がひとつのグループになり、インタビュワーが質問します(人数は目的に応じて変動)。複数の視点の収集と集団ダイナミクスの理解に有効です。

ただし、参加者の相互作用に注意を払い、自由に発言できる環境を提供することが重要です。

オンラインインタビュー

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オンラインインタビューは、インターネット上で実施される対話形式です。音声・映像通話、テキストチャットを活用した遠隔実施が可能なため、地理的な距離や時間の制約に縛られず、コストも抑えられるという特徴があります。

ツールへのアクセスの問題など技術的な制限はありますが、今後も利用頻度が高くなるとされる調査方法です。

エスノグラフィー(行動観察調査)

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エスノグラフィーは、特定の文化や社会環境を理解するための手法です。調査員が対象者の日常生活に入り込んで、長期的にデータを収集します。詳細な観察記録を通じて、習慣や価値観、信念を理解し、文化的な相互作用と背後にある意味を解明しようとする調査です。

実体験に基づく質的データを通じて深い洞察を得られます。

訪問観察調査

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訪問観察調査は、調査員が特定の場所を訪れ、主に外部からの視点で直接対象者を観察する手法です。短期的に行われることが多く、詳細な記録を取ってリアルタイムの情報を収集します。消費者の行動や判断基準の理解、問題の特定、改善策の検討に役立ちます。

観察に基づくデータは信頼性が高く、実地状況に対する理解を深められます。

日記調査

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日記調査は、消費者自身に日々の経験や購買行動、感想、広告への反応を日記に記録してもらい、情報を収集する方法です。消費者個人の視点から、商品やブランドに関する洞察を獲得するのに有益です。また、長期的な変化やトレンドを追跡することも可能です。

忌憚ない消費者の声を直接聞くための重要な手法のひとつです。

まとめ

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さまざまな形態で実施できる定性調査は、マーケティングに不可欠なリサーチ方法です。これを機に導入をご検討ください。

監修者

佐々木 拓弥

ゲンダイエージェンシー株式会社 営業企画開発部 部長

1993年生まれ。2015年当社入社。さいたま営業所を皮切りに2拠点の総合営業職を経験したのち、優れたマネジメントスキルを評価され、本社営業企画開発部に転ずる。2024年、営業企画開発部長に就任(現任)。
当社ゲンダイエージェンシー株式会社において革新的取り組みであったインサイドセールス体制の構築と拡大・強化を推進するキーマンとして活躍し、現在はデジタル系商材の開発・拡販のマネジメントも担当している。
座右の銘は「志低ければ、怠惰に流れる」。松下幸之助が残したこの言葉は、彼のマーケティング活動やマネジメントの指針となっているこのこと。
社内外のマーケティング系セミナー/ウェビナーでのスピーカー実績も多く、その豊富な経験と知識を活かし多方面に活躍中。

執筆者

AdSELL編集部

「広告主と媒体社をつなげるメディアポータルサイト~AdSELL」の企画段階から参画し、サービス立ち上げメンバーを中心に、コンテンツ担当セクションを組織しています。
私たちが目指すのは、日本全国のビジネスパーソンに役立つ、マーケティングのノウハウや情報、事例をわかりやすく紹介すること。具体的な事例を交えて情報を提供し、読者様がすぐに実践できるような生きた情報をお届けします。読者様の「とは?」「なぜ?」という疑問に対する答えを、タイムリーに発信することを心がけています。

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