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AIDMA(アイドマ)はもう古い?AISAS(アイサス)との違い・使い分けや成功事例をわかりやすく解説!【各プロセスの解説、用語解説など】

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AIDMA(アイドマ)はもう古い?AISAS(アイサス)との違い・使い分けや成功事例をわかりやすく解説!【各プロセスの解説、用語解説など】

コンバーションにつなげるには、心理状態に合わせたアプローチをおこなうことが大切です。そのため、マーケティングにおいて消費者の行動を可視化できるAIDMAは重要な役割を持ちます。

今回は、AIDMAの意味とやり方、成功事例、近年注目されている新しいフレームワーク「AISAS」についても解説します。

AIDMAとは?意味と特徴を解説

https://www.pexels.com/ja-jp/

AIDMA(読み:アイドマ)は、消費者が購買行動を起こすまでの基本的な行動モデルを可視化するために作られたフレームワークです。

消費者の購買行動を説明するフレームワークにはいくつかありますが、AIDMAは最も代表的なもので、標準的な購買行動とされています。

AIDMAにおける消費者の購買行動は、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)に分けられます。

それぞれの消費者の段階に合わせたアプローチをすることで、効率的に最終的なコンバーションにつながる可能性が高まります。

AIDMA 各プロセスの解説

AIDMAは、消費者の段階的な心理的状況を表す英単語の頭文字を取ったものです。消費者が購買行動を起こすまでには、商品やサービスを「知り」、「興味」を持ち、「欲しい」と思うという心理的なプロセスがあります。

ここでは、AIDAMの各プロセスについて解説します。

https://www.photo-ac.com/

Attention=(サービスや商品の存在に)気付く

Attentionは、「注意・注目」という意味を持つ英単語です。この段階は購買行動の始まりにあたり、消費者が初めて自社の商品やサービスの存在に気付くときです。マーケティングとしては、商品やサービスについて知らない顧客へ認知させ、認知度の向上を目標とする段階です。

潜在顧客にアプローチするためには、新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・インターネットなど、どの媒体にどのような広告を掲載するのが効果的かを検討します。

Interest=(サービスや商品の存在へ)興味を持つ

Interestは、「興味・関心」という意味を持つ英単語です。この段階は、商品やサービスを認知している消費者に対して、広告やプロモーションを通して「おもしろそう」「良さそう」「もっと詳しく知りたい」など興味を持たせる段階です。

マーケティングとしては、商品やサービスに対する消費者の評価を育成するタイミングです。潜在顧客にアプローチできる媒体で、認知から興味や関心に心理が動くよう、商品やサービスの魅力が伝わる広告を出すことが大切です。

Desire=(サービスや商品を)欲しい思う

Desireは、「欲求」という意味を持つ英単語です。この段階は、商品やサービスの特徴を認知した消費者に対して、「あるといいな」「試してみたい」「欲しい」と購入への欲求が高まるようにする段階です。

マーケティングとしては、消費者に対してニーズ喚起を行いましょう。興味を持つ消費者が、購入への欲求を高めるためには、商品やサービスについてより詳しく知ってもらう必要があります。

商品やサービスを利用することで得られる恩恵や類似商品との違いを、明確に伝えることが大切です。

Memory=(サービスや商品を)記憶する

Memoryは、「記憶」という意味を持つ英単語です。この段階は、消費者が商品やサービスについてすでに興味・関心を持っていて、記憶にはあるものの購入時期を決めていない段階です。広告を見てその時は欲しいと思ったものの、欲しいと思ったことを忘れている人も含まれます。

マーケティングでは、リマインダー広告を用いて、記憶を呼び起こし、消費者が買いたいと思うまで、購入の動機を維持させる必要があります。

リマインダー広告は、商品やサービスの特徴を紹介するよりも、商品や企業のイメージを残すインパクトのある内容が効果的でしょう。

Action=(サービスや商品を)購入する

Actionは、「行動」という意味を持つ英単語です。この段階では、消費者がサービスや商品を購入するために、店に足を運んだり、購入を目的としてオンラインストアを閲覧するなど、具体的な購買行動を起こす段階です。

しかし、購入する意思はあっても「休みの日に行こう」「近くを通ったときに買おう」「セールになるまで待とう」など先延ばしにした結果、購買意欲がなくなることもあります。

マーケティングでは、販売機会を逃さないよう営業時間、店休日、所在地、決済方法、問い合わせ先の情報を提供し、購入特典を付けるなど購入を促す施策が必要です。

AIDMAの成功事例

AIDMAは消費者の購買行動の基本となるものです。ここからはAIDMAの成功事例を紹介します。

これからマーケティングにおいてAIDMAを取り入れようと考えている場合には、ぜひ成功事例を参考にしてみてください。

https://pixabay.com/ja/

【成功例①】資生堂「TSUBAKI」

TSUBAKIは、資生堂が展開していたヘアケアブランドです。

知名度の高い女優や歌手をCMに起用し、繰り返し放送することで商品の認知度を高めました。また、著名人を多数起用することで、多くの女優や歌手が使用するおしゃれなヘアケア商品として、ターゲットとなる女性に興味や関心を持たせることにもつながりました。

そして、TSUBAKIはドラッグストアやスーパーなど多くの身近な店で購入できるため、いつでもどこでも購入できるという環境が整っています。

【成功例②】おトクにマイカー 定額カルモくん

おトクにマイカー定額カルモくんは、ナイル株式会社が運営するカーリースサービスです。車に関連したキーワードで検索したときに、広告を上位表示することで、車に関心がある層にサービスの認知を広めました。

また「月1万円台~新車が持てる」というキャッチコピーで関心を高め、公式サイトではサービス内容や購入できる車種についても詳しく紹介されていていることで、より興味を高めることができます。

審査から納車までウェブ上で完結でき、思い立ったときにいつでも行動に移せるため、販売の機会を逃しません。

【成功例③】日本コカ・コーラ「檸檬堂」

檸檬堂は、日本コカ・コーラのアルコール飲料です。レモン系のアルコール飲料は多数ありますが、趣向を凝らしたパッケージデザインで、店に陳列されている同様商品の中でも一際目を引きます。

また、レモンだけで数種類の商品を展開しているところも類似商品にはない試みで、消費者の興味や関心を引き付けてることに成功しました。

檸檬堂はもともとは九州地方のみで販売されていた商品でしたが、人気を集めたため全国展開された商品です。全国展開前には、試飲機会を設けたり、一部の飲食店で先行提供を実施したことで、販売開始への期待も高めました。

AIDMAはもう古い?古いと言われている理由

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AIDMAの法則は、1920年代に米国の著述家サミュエル・ローランド・ホールが提唱しました。今から100年も前に提唱された法則ですが、人間の心理プロセスは大きく変わらないため、現在でも消費者の基本的な購買行動のプロセスとして通用しています。

しかし当時と現在とではマーケティング手法に変化が生じており、「AIDMAは古い」と言われることもあります。

AIDMAが提唱された頃の主なマーケティングは新聞、ラジオ、雑誌などマス媒体への広告掲載がでしたが、現在はインターネットの普及により、マス媒体に加えてウェブメディアが利用されるようになりました。メディアの数、媒体の種類は大幅に増えています。

消費者が自ら情報を収集し、拡散できるようにもなり、商品選びや購入方法にも変化が起きたことで、新しい消費者の購買行動を反映させたフレームワークが誕生しています。

AIDMAが進化した「AISAS」とは?

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AISAS(読み:アイサス)は、2004年に電通により提唱されたフレームワークです。AIDMAの法則を現在の消費者の購買行動のプロセスに合わせて発展させていて、インターネット上での買い物を想定し、消費者が購買行動を起こすまでの基本的な行動モデルを5段階に分類しています。

それぞれの段階における心理状況を表す英単語の頭文字を取っており、AはAttention(注意)、IはInterest(関心、興味)、SはSearch(検索)、AはAction(行動)、SはShare(共有)です。

Attention、InterestまではAIDAMAと同じですが、AISASは興味や関心を持った商品やサービスに対して、消費者自身が情報を検索し、行動を起こしたあとには、感想を共有します。

AISASで特に重要なポイントがShareです。Shareを活用できればAISASを循環させることができます。
しかし、Shareは良い意見だけでなく、悪い意見が共有されることもあり、一度発生したShareは消すことができないため、十分な注意が必要です。

AIDMAとAISASは、どう使い分ける?

AIDMAとAISASは、消費者の購買行動を主導する人や適した商材が異なります。マーケティングをおこなう際には、どちらが適切か検討することが大切です。

AIDMAで消費者の購買行動を主導するのは、企業です。広告やキャンペーンにより、商品やサービスの特徴や魅力を伝え購入に誘導します。

一方のAISASで購買行動を主導するのは、消費者です。商品やサービスを知るのは広告やキャンペーンであっても、その後消費者が自ら商品やサービスの情報を調べ、比較検討をおこない、購入するかを決定します。

また、それぞれに適した商材も異なります。AIDMAは単価が高く、何度も比較・検討をおこない購入までの期間が長い商材、意思決定者が複数人になる商材が適していると言われています。AISASは、単価が低く、検討期間が短い商材、意思決定者が消費者本人のみの商材が適していると言われています。

まとめ

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消費者が商品やサービスを購入するまで、いくつかの心理的な段階を経ています。マーケティング施策を成功させるためには、それぞれの段階に合わせたアプローチをおこなうことが大切です。

AIDMAやAISASで購買行動を可視化することで、マーケティングの精度を高めることにつながります。
ぜひ活用してみてください。

監修者

佐々木 拓弥

ゲンダイエージェンシー株式会社 営業企画開発部 部長

1993年生まれ。2015年当社入社。さいたま営業所を皮切りに2拠点の総合営業職を経験したのち、優れたマネジメントスキルを評価され、本社営業企画開発部に転ずる。2024年、営業企画開発部長に就任(現任)。
当社ゲンダイエージェンシー株式会社において革新的取り組みであったインサイドセールス体制の構築と拡大・強化を推進するキーマンとして活躍し、現在はデジタル系商材の開発・拡販のマネジメントも担当している。
座右の銘は「志低ければ、怠惰に流れる」。松下幸之助が残したこの言葉は、彼のマーケティング活動やマネジメントの指針となっているこのこと。
社内外のマーケティング系セミナー/ウェビナーでのスピーカー実績も多く、その豊富な経験と知識を活かし多方面に活躍中。

執筆者

AdSELL編集部

「広告主と媒体社をつなげるメディアポータルサイト~AdSELL」の企画段階から参画し、サービス立ち上げメンバーを中心に、コンテンツ担当セクションを組織しています。
私たちが目指すのは、日本全国のビジネスパーソンに役立つ、マーケティングのノウハウや情報、事例をわかりやすく紹介すること。具体的な事例を交えて情報を提供し、読者様がすぐに実践できるような生きた情報をお届けします。読者様の「とは?」「なぜ?」という疑問に対する答えを、タイムリーに発信することを心がけています。

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