PRは、アピールやプロモーションなどと混同されることが多く、本当の意味は誤解されがちです。PR活動とは、本来コミュニケーションを主体として情報を伝える活動です。
情報を伝えるには、メディアの力も借りなくてはなりません。ここではPRとはなんなのか、どのようにメディアを活用すればいいのかを解説します。
目次
PRとは?意味と特徴を解説!
PRとは「Public Relations」の略で、直訳すると公衆との関わりや縁、結びつきという意味になります。PR=宣伝、商品アピールとの印象がありますが、本質はターゲットとなる層と自社をつなぐコミュニケーション活動です。
会社をはじめとした組織は、内部と関わりがない層から見れば何を考えているか分かりません。何の関係も築かないまま情報を発信しても「良いことばかり言っているけど、本当はどうなの?」と思われがちです。
PRの方法は幅広くあり、会社イメージを底上げする社会貢献、同調や強い関心を得られる戦略的プロモーションを仕掛けるなどとさまざま。ターゲット層と良い関係性を築くための活動が、PRだと言えます。
PR・広報・宣伝の違い
PRは、広告や宣伝と同じ意味だと捉えられがちです。しかし、本来はそれぞれ別の意味を持っています。
広報とは?
広報とは、発信する側が一方的に伝えたい情報を広めることです。分かりやすい例だと、Web広告でも目にする「政府広報」があります。重要施策について広く知ってもらい、理解してもらうため政府から国民全体に向けて一方向で発信しています。
民間企業では、プレスリリースとして新商品やサービスの情報を発信するのが代表的。本格的な販促活動は伴わないのが一般的です。
宣伝とは?
広報が理解してもらうための事実を発信する活動であるのに対し、宣伝はより魅力的で購買意欲を掻き立てる情報を発信します。芸能人やインフルエンサーを使ってメディアに多く露出させ、製品・サービスの良さをアピールするのも宣伝です。
宣伝の目的は、ターゲット層を購入や契約に導くこと。SNSでPRと付いた商品をアピールする記事を見かけますが、厳密にはPRではなく宣伝活動になります。
PR・広報・宣伝の違いを解説!
PR・広報・宣伝は、違いが分かりにくい言葉です。PRを広報と訳すこともでき、アピールと混同するケースもあることから、宣伝活動はなんでもPRとされてしまう場合もあります。本来3つの活動はそれぞれ目的が異なり、似て非なる存在です。
- PR:ターゲット層と関係を築く
- 広報:情報の周知と理解を得る
- 宣伝:良さをアピールし、購入意欲を上げる
上記のとおり、最終目標は同じでも活動それぞれの目的は異なります。ひとつひとつを分けて戦略を練り、活動することで商品・サービスの魅力アップやブランドの価値向上につながりやすいのです。
「メディア」に関する言葉を確認しよう
PR活動を行うには、メディアはなくてはならない存在です。メディアとは何なのか、メディアに関わる他の用語とともに解説します。
そもそも「メディア」とは?
メディアは、日本語に直訳すると「媒体」という意味です。媒体は、情報を「記録するモノ」「伝えるモノ」の2つに大別されます。
記録するモノは、ハードディスクやUSBメモリが分かりやすい例です。伝えるモノとは、情報を伝える手段・コミュニケーションをとる手段のことを指します。PRにおいては、後者の意味との関わりが深いです。
マスメディアとは?
「マス」には集団や多数といった意味があり、マスメディアとは大多数に対して情報を発信・伝達する手段を意味します。
4大マスメディアとして知られているのが「テレビ」「新聞」「ラジオ」「雑誌」です。情報の向きは、マスメディアから大衆への一方向に限られます。
今勢いのあるWebメディアは、マスメディアには含まれません。情報が多方向に拡散、相互に行ったりきたりするのがマスメディアにはない特徴です。
マスコミとは?
マスコミはマスコミュニケーションの略で、大多数に対して情報を発信・伝達する「活動」を指します。メディアがモノなのに対し、マスコミは組織や人が動いて情報を発信することを意味します。
テレビという伝達手段がマスメディアなら、組織で情報を発信するために活動するテレビ局はマスコミと考えると分かりやすいです。
プレスとは?
プレスとはもともと新聞社の意味があり、現在ではもう少し範囲を広げて「報道機関」として認識されています。メーカー企業では、広報や販促部門をプレスと呼ぶケースも多いです。どちらも情報を発信する組織という点で共通しています。
なお、プレスリリースとは報道機関向けに発信してほしい情報をまとめた資料のこと。企業発の情報を、信用力の報道機関を介して大衆向けに発信することで認知度と信頼性の向上を目指します。
媒体とは?
先述の通り、メディアを日本語表記にすると媒体となります。もうひとつ、メディアとは少し違った意味合いで使われることが多いのが、広告手段としての媒体です。
近年は、紙のチラシなど紙媒体に代わってWeb広告に代表されるWeb媒体のニーズが急上昇。どちらにもメリット・デメリットがあり、両方を組み合わせたメディアミックスでの情報発信も行われています。
PRにおけるメディアの重要性
企業が何かをPRする=大衆とコミュニケーションをとるには、メディアの活用は欠かせません。どんなに良い商品・サービスを開発しても、知っている人がいなければ購買につながらないからです。広く認知させるには、Webや4大メディアの利用が必須。
認知させたい商品・サービスによって、どのメディアが向いているのかは異なります。ターゲットが若年層なら、紙媒体よりもWeb媒体のほうが共感を得る情報発信できます。高齢者にアプローチするなら、新聞やテレビのほうが情報が届きやすいでしょう。
ターゲット層と相性がいいメディアを選び、効果的なPRを行いましょう。
どうすればPRを掲載してもらいやすい?媒体ごとに解説!
PRを掲載・紹介してもらいたい場合は、まずは各メディアにアプローチしましょう。媒体ごとに適した方法を紹介します。
テレビ番組で紹介してもらう方法
テレビ番組で紹介してもらいたいときは、テレビ局ではなく紹介してほしい番組にアプローチしましょう。企画書やプレスリリースを、エンドロールに名前がある担当者や制作会社に送付します。
なお、番組に紹介してもらいたい企業は他にも多くあり、担当者のもとには企画書やプレスリリースは大量に届きます。番組で紹介されるのは、その中から担当者の目にとまったもののみ。一目見てスルーされない資料を作ること、1度ダメだっただけで諦めないことが重要です。
ラジオ番組で紹介してもらう方法
ラジオ番組で紹介してもらいたいときも、基本的には番組担当者宛てに企画書やプレスリリースを送ります。テレビと違うのは、ラジオは視覚的な情報は発信できず音のみという点。音声だけでリスナーの興味を引く内容でなければなりません。
ラジオはオールドメディアとして扱われがちですが、最近はスマホアプリでもラジオが聞けるようになり、若年層から高齢者層まで幅広いリスナーがいます。さまざまなジャンルがあるので、ターゲット層やPR内容の雰囲気が合う番組を選びましょう。
新聞で紹介してもらう方法
新聞は、素早く正確な情報を得る手段として信頼性が高いメディアです。新聞に紹介してもらうには、まずはPRしたいことがどの分野にあてはまるのか見極めが重要です。
生活部、文化部など各部門に担当者がいるため、プレスリリースを送るなら新聞社そのものではなく部門に送りましょう。取材時、どのような写真が撮れるのかを具体的に紹介できると印象に残りやすいです。
雑誌で紹介してもらう方法
雑誌は、テレビや新聞よりもターゲット層がはっきりしているメディアです。雑誌の種類も多いため、どれを選べば高いPR効果が得られるかよく検討しましょう。
他と同様プレスリリースや企画書が多く届くため、依頼すれば必ず掲載されるとは限りません。しかし、次の企画のときに再び掲載を検討する機会が訪れることもあり、インパクトを残すことが重要です。
Webメディアで紹介してもらう方法
Webメディアは種類が多く、どこにプレスリリースを送っていいか迷いがちです。まずは、PRしたい内容のジャンルに強いメディアを選びましょう。
紹介されたPRに反響があると、SNSや大手Webメディアのポータルサイトに掲載されることもあります。反応が良いPR情報はすぐさま拡散し、興味がなかった人でも新規顧客になりやすいのがWebメディアの特徴です。
まとめ
PRとは、ただメディアでアピールや宣伝することとは異なります。情報を伝える先とコミュニケーションをとり、営利だけなく信頼を得ることも目指しましょう。